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日本百名山の一つ、トイレ閉鎖へ…環境破壊防止
日本百名山の一つ、岩手県の早池峰山(標高1917メートル)で、山開きの10日から10月8日まで山頂避難小屋のトイレが終日使用禁止になる。県自然保護課によると、排せつ物による環境破壊を防ごうと、登山者に携帯トイレを普及させるための措置で、県内では珍しい取り組み。県では今季の実施状況を踏まえ、通年実施したい考えだ。
同山は高山植物の宝庫として知られ、東日本大震災前の2010年には年間約1万6700人が訪れた。主要登山口の小田越(同県遠野市)から山頂までの所要時間は約2時間半。多くの登山客が山頂のトイレを利用する。
以前のトイレは排せつ物が地下に浸透するタイプで、環境への影響を憂慮した花巻市、会社員菅沼賢治さん(63)らが1993年から、トイレに残った便や生理用品などを自主的に担ぎ下ろすようになった。
菅沼さんらの働きかけを受けて、県は2003年、ボランティアがし尿の運搬を継続して行うことを条件にトイレの便槽の穴をふさぎ、09年にはトイレを2日間閉鎖する「携帯トイレデー」を開始。10年に8日間、11年に30日間実施し、今年は入山客が多い登山シーズンに121日間閉鎖する。
登山客は原則、携帯トイレを持参し、排せつ物を持ち帰る。使用禁止となったトイレは、携帯トイレを使う専用スペースになる。菅沼さんは「未来の子供たちに素晴らしい山岳遺産を残すため、『早池峰は携帯トイレの山』というイメージを定着させたい」と話している。
(2012年6月7日13時43分 読売新聞)
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この問題、小ブログでも取り上げたことがありますが既に実施しているところも少なくありません。早池峰と同じ百名山になっている利尻山には、登山道の途中にトイレブースが3箇所も設置されています。先月の末にチャレンジした縄文杉の登山道にもありました。ちなみにその屋久島の携帯トイレの料金は2枚で500円でした。
富士山が世界遺産に登録できない理由の一つが、し尿問題であることは知られているとおりです。2010年の富士山8合目における登山者数は、32万1千人というデータがありますが、そのし尿処理がいかに大変か分かろうというものです。富士山で、早池峰同様の携帯トイレを義務化したら、オーバーユースにも歯止めがかかるし、環境にも役に立つのではないでしょうか。
奥多摩の山々も、し尿汚染によって沢の水が飲めなくなっています。富士山に限らず、ほかの山でもこの問題を考えたいものです。これは山を守ることと同時に、環境を守る課題でもあるからです。
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