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ヘボやんの独り言
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2011/11/17 [Thu] 10:33:45 » E d i t
 杉並区立郷土博物館分室の展示会場に、展示物や上林曉と濱野修の交友関係について紹介したメモが置いてあります。これは、「あかつき文学保存会」の会報号外の形をとっています。この保存会の成り立ちは後述しますが、この会の代表を務めている萩原茂さんが、上林曉の作品を紹介しています。その部分を転載させていただきます。

                         ◇=◇=◇
 「薔薇盗人」(昭和7年)で、新進作家として注目され、代表作には▼「聖ヨハネ病院にて」(昭和21年)、「春の坂」(昭和32年)=この作品を収録した『春の坂』で昭和33年度芸術選奨文部大臣賞受賞、▼「白い屋形船」(昭和38年)=この作品を収録した『白い屋形船』で昭和39年読売文学賞、▼「ブロンズの首」(昭和48年)=昭和49年第1回川端康成文学賞受賞、などがあります。(以下略)
                         ◇=◇=◇

 もちろん、上林の作品はこれだけではありません。上林曉全集(筑摩書房)が出版されていますが、それは全19巻あり膨大です。前出のサワダオサムさんが、1964年に「上林暁作品年表」を編纂したとき、何人かの作家などに上林作品のなかで何が一番好きか、というアンケートをとっています。これは興味深い。

 ▼川崎長太郎(作家)/「聖ヨハネ病院にて」
 ▼宍戸恭一(三月書房)/評論集「文学の歓びと苦しみについて」
 ▼尾崎一雄(作家)/何が一番と云われると困ります。「聖ヨハネ病院にて」も好きだし、最近では「白い屋形船」も好きです。
 ▼野間宏(作家)/「薔薇盗人」の書き出しは、すぐれていると思います。題名もよい。しかしその後、美しい題名がなくなっていきます。
 ▼山室静(評論家)/特にこれ一篇という名作のあげにくいのが氏の遺憾な点で、「聖ヨハネ病院にて」「草深野」「春の坂」その他好きな作はかなりありますが、どうも一篇となるとあげにくい。「真乙女」などはその候補。

 このアンケートは「上林の文学をどう思うか」という質問もしています。
 ▼川崎長太郎/私小説の一高峰。
 ▼中野重治(作家)/静かな滋養。
 ▼尾崎一雄/親愛感溢れた作風です。化粧で美しくするのではなく、生地をみがいて綺麗にしようとする流儀だと思ひます。
 ▼野間宏/誠実を貫こうとする文学です。
 ▼山室静/全作品を読んでみたい一人です。文人文学といったものの最後の人(氏一人というわけではないが)と思います。

 ――などが返ってきています。中野重治の「静かな滋養」というのがいいですね。これらのアンケートの回答、上林作品の紹介にあたって私の感想を書くよりよほど的を射ていると思い、紹介しました。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
プロ野球日本シリーズ、中日とソフトバンクが2勝2敗のタイに。いい試合してるね。
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