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ヘボやんの独り言
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2011/11/16 [Wed] 13:10:09 » E d i t
 前回の続きです。

 徳廣睦子さんは今年90歳、元気です。生きていれば私の母と同じ歳です。初めて会ったのは4年ほど前になるでしょうか。私の友人でサワダオサムという人がいます。滋賀県草津市に住んでいますが、この人が長年かけて、上林曉研究をやってきました。その集大成というべき本を出版することになり、睦子さんとの連絡役を私が引き受けることになったのです。

 サワダオサムさんは、生前の上林曉にも睦子さんにも会っています。最初の連絡は電話でしたが、サワダさんが本を出版することになったことを伝えると、たいへんな喜びようでした。そのとき、睦子さんは自分の兄を「兄」あるいは「じょうさん」と表現していました。最初、「じょうさん」とは何のことかと理解できなかったのですが、上林の本名は「巌城」でありその下の文字を使ってそういう言い方をしたのでしょう。

 兄と妹、仲の良さがこの言葉に表れています。その電話のやりとりのなかで、初めて「阿佐ヶ谷会」の存在を私は知ったのです。そのとき睦子さんは「阿佐ヶ谷会のメンバーだった青柳瑞穂さんのお孫さんが本を出版したそうです。阿佐ヶ谷会の人たちの作品をまとめたものだそうですよ」と教えてくれました。「そのうちお宅に伺います」ということで電話を切りました。

 睦子さんが教えてくれたその本を、神田の三省堂書店で探したらありました。青柳いづみこ、川本三郎の共著で「『阿佐ヶ谷会』文学アルバム」というタイトルです。改めて、青柳瑞穂の孫だという青柳いづみこさんのことを調べてみました。肩書きは「ピアニスト・文筆家」となっています。むしろ、ピアニストしての活動のほうが主のようです。

 この本は面白かった。阿佐ヶ谷会なるものの一端に触れることができます。あの文豪たちは仕事以外のときは将棋と酒に明け暮れていたようです。この本は「アマゾン」で検索すれば入手可能です。少し高いのですが、おすすめです。一方、サワダオサムさんの上林曉研究の本は2008年10月に出版されました。表題は「わが上林暁―上林暁との対話―」となっています。

 上林曉は「私小説家」として知られています。私小説(ししょうせつ、わたくししょうせつ)は、大辞泉によれば「1)作者自身を主人公として、自己の生活体験とその間の心境や感慨を吐露していく小説。日本独特の小説の一形態で、大正期から昭和初期にかけて文壇の主流をなした。わたくし小説。2)イッヒロマンの訳語。」としています。

 つまり上林の文学は、自身の生活体験を小説化したもの、ということになります。ということは、前回紹介したように、上林の生活は苦しいものがあり結果として小説自体が暗いものになっています。暗さゆえでしょうか、上林の小説に対して「プロレタリア文学ではないか」という人が少なからずいるといいます。が、社会批判という視点で見れば当てはまらなくなります。上林曉の作品を少し紹介しましょう。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
野田首相のTPP対応、内閣総辞職あるいは国会解散の始まりとみた。

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