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ヘボやんの独り言
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2008/10/01 [Wed] 10:44:34 » E d i t
 アメリカで発生した世界恐慌につながりそうな金融の動きが少し心配です。6月の山梨学院大学の講義のときに、1929年の世界恐慌と現在の類似点について私は①金融不安②失業者増大と格差拡大③市民的運動への権力の介入強化④改憲(海外派兵の自由化)の動き――の四つをあげましたが、イヤな予感がします。そんな不安がありますが、前回の山の報告を続けます。

 八甲田山頂からは直接、車を置いてある酸ヶ湯をめざしました。途中の千人岱(せんにんたい)にはきれいな清水がこんこんと湧いており、水筒の水を詰め替えてたっぷりいただきました。冷たくおいしい水は生き返るようです。ここまで来れば、あと一息です。紅葉をながめつつ少々ぬかるんだ道に苦戦しながら、酸ケ湯に到着、もう一度お風呂に入ってこの日の宿泊場所、弘前のホテルに向かいました。

 八甲田山といえば、高倉健が主演した映画『八甲田山死の彷徨』が有名です。この映画は新田次郎の原作によるものですが、その小説を読みながら山の怖さを実感したものです。1902年1月23日、陸軍第8師団青森歩兵第5連隊の215人が雪中訓練に出かけ、吹雪の悪天候に遭遇、なんと199人が凍死したという事件です。遭難の現場は、われわれが登った山よりかなり東側になりますが、この山を語るときには忘れてはならない事件でしょう。

 この小説は気象学者・新田次郎の作品としては秀逸と言えるでしょう。雲や風、気圧の変化と歩兵連隊の動きを、タイムラグ的に検証しながら話しを進め、同時に指揮官の心理状態などを細かく描いています。山における事件は登山列車の火災だとか、ロープウェイのケーブル切断などで大量の死傷者が出るケースは多々ありますが、山の遭難で199人が同時に死亡したという点ではギネスものだと言えます。

 この山のように、百名山の中には歴史の存在やその形のよさだけでなく、大きな事件や遭難があって知られているものも少なくありません。そういう視点から山を見つめなおしてみることも面白いと思います。

 *徒歩総時間/3時間30分
 ロープウェイ山頂(9:30 途中休憩15分)-井戸岳(10:50 11:00)-八甲田山頂(11:40 12:55)-酸ヶ湯(14:10)
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