ヘボやんの独り言
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2016/08/30 [Tue] 15:37:32 » E d i t
 これは識見である。とりあえず、朝日新聞デジタル版から以下。

                           ◇=◇=◇
小池知事、築地移転の延期の方針 土壌の安全性に疑問
朝日新聞デジタル 8月30日(火)11時22分配信


 東京都の小池百合子知事は、11月7日に予定している築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転時期を延期する方針を固めた。豊洲市場の土壌の安全性確認などが不十分と判断した。30日午前、報道陣の取材に対し「近々会見など開き、その場ではっきり話をする」と述べた。

 小池氏は、豊洲市場の地下水のモニタリング調査が終わっていないことを疑問視。過去7回はすべて環境基準値以下だったが、最終調査は11月18日に始まり、1月中旬ごろに結果が出る。今月26日の定例会見で調査終了を待たずに開場を迎えることに「大きな疑問を持っている」と述べた。

 このほか、2009年2月に4316億円だった豊洲市場の総事業費が5884億円に膨らんだことや、間口の広さなどの「使い勝手」の点で業者らから不満の声が上がっていることも課題に挙げ、改善点を調べる考えを示していた。
                           ◇=◇=◇

 築地移転反対闘争にかかわり始めて、何年になるだろうか。要請行動やデモ・集会にも参加してきてやっと一つの〝きざし〟が見えてきた。上記報道がそれである。移転延期理由として①土壌汚染に連動している地下水のモニタリングが出ていない②移転費用の高騰③豊洲に移転した場合の、使い勝っての悪さ――などを上げている。

 これに本来もう一つ加えるべきことがある。中小仲卸業者が切り捨てられ、場外(現在の築地)の業者の一部も締め出されるという問題だ。これは当事者の皆さんにとっては仕事の場を奪われることになり、死活問題となる。

 築地を残せという主張のなかに、「文化を残せ」という問題がある。築地市場は、間違いなく文化を育んできた。都民の食卓をつくるうえで、欠かせない存在だし「食文化」の一翼を担っている。市場のセリは、外国人も見学にやって来るほど賑わいをみせており間違いなく文化である。

 その意味では移転の、「延期」ではなく「見直し」あるいは断念が正解である。それでは、現在建設中の豊洲はどうするか、という問題が残る。心配することはない。築地の跡地利用を考えていた2020年東京オリンピックの「メディアセンター」にすればいいことだ。オリンピックが終われば、ほかの使いみちは腐るほどある。

 問題は、豊洲への築地移転に伴う利権がらみの動きだ。少なくない人が指摘しているが、かなりの利権が蠢いているという。この連中が黙ってはいないだろうが、移転延期や見直しが現実のものとなった場合、逆に〝利権屋〟たちをあぶり出すことができる。小池都知事がそこまで考えているとしたら、卓越した識見である。

★脈絡のないきょうの一行
台風10号、東北地方に上陸。せっかく実った秋の味覚の被害のないことを祈りたい。

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11474 わくわくするね 
2016/08/26 [Fri] 21:16:27 » E d i t
 もしかすると、地球の近くに生命体が存在する星があるかもしれないという発見。これは嬉しい。ワクワクする。とりあえず、以下。

                           ◇=◇=◇
地球に似た惑星発見、水も存在か 太陽系から4光年先
朝日新聞デジタル 8月25日(木)2時6分配信


 太陽系に最も近い恒星の周りで、地球に似た惑星が見つかった。岩石でできており、水が存在する可能性もあるという。英ロンドン大などの研究者らが25日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

 8カ国による研究グループはチリにある天文台などで、地球から約4光年離れた「プロキシマ・ケンタウリ」という恒星を周回する惑星を新たに発見。「プロキシマb」と名付けた。重さは地球の1・3倍以上で、約11日で公転している。

 研究者らによると、この星では水分が生まれ、現在も残っている可能性がある。地表温度は液体の水が存在できる範囲とみられる。太陽系外で水がある可能性を持つ星としては、今回の惑星が太陽系に最も近いという。ただ、恒星からの距離が近く、X線が地球の400倍にあたることもわかっている。

 研究者は「次に目指すのは、大気や生命が存在するかどうかの調査だ」としている。(山崎啓介)
                           ◇=◇=◇

 発見のポイントは「水分」である。水分がないことには、微生物といえども生きることはできない。逆に言うと、水分があるということは生物の存在する可能性が高いということだ。一方で気になるのは、この「プロキシマb」の公転が地球時間で11日ということ。公転の時間が短いということは、〝変化〟が早いということであり、生物体が対応できるかどうかという点だ。

 それはさておき、地球から4光年という近さにあることを、ど素人の私でも特筆したい。たとえば、北極星は431光年、南十字星は320年であり、それから比べるとはるかに近い存在だからだ。そういう近いところに、生命体が存在するかもしれない星があることは、ロマンではないか。

 もののついでで恐縮だが、「光年」を単位とした場合、太陽はどうなるかご存知だろうか。太陽までの距離は、1億4960㎞である。これを光年に表示しなおすと、な、なんと0.0000158光年になる。これを光速で表わすと、8分19秒となる。

 もののついでが、やや、難しくなってしまったが今回発見された「プロキシマb」は、地球から極めて近いところに存在するということだ。もし生命体が存在すれば、私の〝夢〟は膨らむ一方である。その星に住む〝人〟たちとの交流を考えたとき、夢はさらに膨らむ。

★脈絡のないきょうの一行
な、なんと。台風10号は迷走を繰り返し今度は、本土急襲の可能性も。ゾンビみたいなヤツだ。心配。
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2016/08/25 [Thu] 11:53:22 » E d i t
 前回の小ブログについて、「エチオピアの政治状況はどうなっているのか知りたい」という問い合わせがあった。私もよく分からない、というのが正直なところで、調べてみた。以下のURLが分かりやすく解説していると思う。国際政治学者・六辻彰二氏のもので、興味のある方はぜひご覧ください。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/mutsujishoji/20160822-00061391/

 概略は以下。
                              ◇
 エチオピアでは、主に同国北部のオロモ州と北西部のアムハラ州で、昨年11月頃から政府に対する抗議デモと、これに対する鎮圧が繰り返されてきた。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、今年6月までにオモロ州だけで少なくとも400人が治安部隊によって殺害されている。

 現在のエチオピアは、議院内閣制のもと、憲法に基づいて定期的に選挙が行われている。実質的な権限は首相に集まっており、大統領はいわば形式的・儀典的な役職。この体制は、内戦によって1991年に社会主義政権が崩壊した後に成立した。

 憲法に基づいて選挙が行われているからといって、必ずしも民主的とは限らない。2015年のエチオピア議会選挙では、547議席中500議席を与党「エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)」が獲得している。もちろん、これが自由かつ公正な選挙の結果であれば、それは有権者の意志と呼べるだろう。

 しかし、エチオピアでの選挙プロセスは、疑問の余地が大きい。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、2015年選挙では選挙監視委員会が半数以上の野党系候補の登録を拒否。実際に立候補できた野党系候補は400人中139人だけだったという。

 EPRDFと野党の対立は、「反民主主義と民主主義」という次元だけで語ることはできない。そこには、複雑な民族対立の構図がある。EPRDFは、もともと内戦時代に社会主義政権と敵対した4つのゲリラ組織の連合体だった。内戦終結後、それぞれが政党に衣替えし、それらの連合体としてEPRDFは存続。EPRDFを構成する4つの政党はそれぞれ民族を支持基盤としており、それらにはオロモ、アムハラ、ティグライ、南部に暮らす少数民族の連合体が含まれる。

 かつてEPRDFと敵対した社会主義政権は、エチオピア帝国を革命で打倒した勢力が中心だった。しかし、皇帝と社会主義政権指導者は、アムハラ人という点で一致、そのため他の民族からみれば、皇帝の支配が社会主義政権の支配に代わっても、首都アディスアベバの中央集権的な体制には何も変化がなかった。さらに、社会主義政権のもとでは国有地での強制労働などが横行したため、アムハラ人からも離反者を呼んだ。こうして、多くの民族の連合体としてのEPRDFが生まれた。
                              ◇ 

 (以下、略)

★脈絡のないきょうの一行
おいおい、台風9号と11号は消滅したけど、10号が勢力を強めてるって? 沖縄が心配だ。
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2016/08/23 [Tue] 11:23:32 » E d i t
 リオ五輪の男子マラソンは、最初から最後まで見てしまった。今回のオリンピックの競技で全部見たのはこれが初めてだ。途中で「寝てしまうかもしれないね」とカミさんと話ししながらであったが、最後まで見てしまった。

 ゴール直前、2位のエチオピアの選手が両手をかざして×印を作って走りこんだ。それも思ったより長い距離だった。そんなことしていたら3位の選手に追いつかれるぞ、と、訝(いぶか)ったものだ。カミさんとも「あれはどういう意味だろうね」という会話になっていた。

 その理由が分かった。エチオピア政府への抗議だったのだ。以下は東京新聞の報道だが、別の報道では「国際人権団体NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、エチオピアでは2015年11月、抗議デモに参加していた民衆の約400人が治安部隊によって殺害され、数万人が逮捕されたという。」(The Huffington Post)というものもある。

 確かに同選手のゴールのときの顔は険しいものがあった。オリンピックで銅メダルをとることは栄誉だし、嬉しいことだが喜びの表情はなかった。違和感を持っていたが、背景があったのだ。

 ご本人は亡命も視野に入れているようだが、26歳の青年の行為を「政治的利用」と責めることはできない。いのちを守ることへの意思表示だからだ。この行為、エチオピアの〝シールズ〟と言える。以下、東京新聞から(写真は割愛)。

                           ◇=◇=◇
エチオピア・銀メダリスト 抗議のポーズでマラソンゴール
東京新聞 2016年8月22日 夕刊


【リオデジャネイロ=共同】リオデジャネイロ五輪最終日の二十一日に行われた男子マラソンで、銀メダルを獲得したエチオピアのフェイサ・リレサ選手(26)が額の前で両手を交差させるポーズをしながらゴールインした=写真、ロイター・共同。記者会見では、エチオピア政府の「圧政への抗議」だったと説明した。

 ロイター通信などによると、同国ではオロミア、アムハラ両州などの一部地域での土地の強制収用計画を巡り、昨年から政府に対する抗議が活発化。五輪が始まった八月初めには九十人以上が治安部隊に殺害される事態が起き、人権団体も懸念を示していた。

 リレサ選手は競技後の記者会見で、自らがオロミア州出身のオロモ人であることを明らかにし「エチオピア政府は仲間を殺害し、土地や資源を奪っている。私の親族も違法に拘束された。オロモ人の抗議を支持する」と主張した。

 報道によると、同選手のポーズはオロミア州などで行われている抗議のしぐさだという。同選手は帰国すれば「殺されるか投獄されるかもしれない」と懸念を示し、今後は海外への亡命を検討する考えも示した。

 五輪での抗議はスポーツの政治利用に当たるのではないかとの指摘も出たが、リレサ選手は「これが私の気持ち。国内での抗議は非常に危険だ」と訴えた。
                           ◇=◇=◇

★脈絡のないきょうの一行
リオ五輪閉会式、スーパーマリオに悲劇が起きた。あんな人と一緒じゃかわいそうだ。

11471 台風迷走の理由 
2016/08/23 [Tue] 10:38:51 » E d i t
 この報道は実に分かりやすい。先週発生した台風9、10、11号が〝トリプル〟になった理由や通過経路について説明したものだ。疑問は①なぜ3つも同じ時期に発生したのか②台風は通常九州方面から進んでくるが、関東を直撃したのはなぜか③北海道上陸は少ないはずだが、直撃も発生したのはなぜか④10、11号がなぜ9号を〝追い越し〟たのか――などである。

 この疑問に読売新聞が実に的確に伝えている。しかも短い文章で。図がやや不鮮明で恐縮だが、紹介しよう。

                           ◇=◇=◇
東西に高気圧、トリプル台風…日本が通り道に
読売新聞 8月22日(月)22時7分配信


台風ルート

 立て続けに発生した9、10、11号の「トリプル台風」が、北海道や関東など広い範囲に大雨をもたらし、河川の氾濫などを引き起こした。

 9、11号が連続して日本に上陸したのは、台風が発生しやすい状況に加え、東西の二つの強い高気圧に挟まれた日本が台風の通り道になったためだ。

 まず日本の東側にある高気圧によって、北を通る偏西風が大きく蛇行し、北極側の冷たい空気が日本の南の太平洋上空に流れ込んだ。その結果、暖かい海面との間に、大きな気温差が生じて上昇気流ができやすくなり、台風が続々と発生した。

 加えて、東西の高気圧の配置が、日本付近に台風の通り道を作った。東側の高気圧は例年ならもっと西に張り出しているはずだが、今年は西側の高気圧が強く、東西の高気圧が日本を挟み込むような配置となった。このため、南の海上で発生した台風は、その間をすり抜けるようにして、東日本や北日本に続々と接近する珍しいルートをとった。
                           ◇=◇=◇

 この図を見れば追い越しの理由が分かる。10、11号は9号より北側で発生したのだ。なるほどと頷ける。九州を外れて関東を直撃したのは、高気圧の配置が〝犯人〟だったのだ。

 問題は、こういう現象が起きる原因だ。温暖化が影響しているのではないかという懸念は払しょくできない。その問題は専門家に譲りたいが、北海道各地で水害が起きた。普段、台風があまり来ない地域のため、本州より備えが弱かったのではないか、そんな気がする。

 台風通過ルート・日本。火山列島・日本。河川や森林に守ってもらっていることを再認識し、自然を守ることが災害を少なくする(減災)という鉄則を改めて想起したい。

★脈絡のないきょうの一行
リオ五輪マラソン、エチオピアの銀メダリストのゴール直前の行動は、政府への抗議だった。

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2016/08/14 [Sun] 07:02:25 » E d i t
 植村さんが裁判を提起した直後、櫻井よしこ氏は「言論は言論で対抗すべきだ」と発言した。私もその通りだと思う。しかし氏のそれは言論とは言えない。言論には根拠があり、批判をするにしても節度が求められ、相手の人権を尊重しなければならない。氏の発言や文章には、残念ながらそのカケラさえないからだ。

 しかも植村さんは、朝日新聞社を退職し言論を展開する場さえない。言論で対抗する場を失い、しかも言論とは言えない暴言によって家族が脅威にさらされ、職さえ失ったことを考えれば、裁判という手段を選ばざるを得なかったのは当然と言える。その選択を私は支持する。

 櫻井よしこ氏らを相手にした裁判は、(植村さんは)札幌に住んでいた関係で札幌地裁に提起した。しかし、櫻井氏らは東京で行うべきだと『移送』を主張、札幌地裁はこれを認めたが、同高裁はこれを差し戻し札幌地裁で審理が始まっている。〝緒戦〟にしてあの人たちは負けているのである。

 以上、少々長くなったが裁判に到る経過を説明した。折に触れ今後もこの問題を取り上げることがあると思い、スペースを割いた次第だ。では、この裁判はどういう意味があるのかを考えてみたい。

 一つは、「捏造」を乱発された植村隆さんの記事が、そうではないことを証明することである。1991年に書いた植村さんの記事について、朝日新聞社内においても「問題なし」の結論を得ている。当時の新聞各紙は「挺身隊」と「従軍慰安婦」は同意語として使われていたことも判明している。「挺身隊」と書いたことをもって、あの人たちは「捏造」といい続けているのである。

 合わせて、「捏造」ではなかったことが裁判所で認定されれば、「捏造」というレッテルを貼ることによって、従軍慰安婦の存在を打ち消そうとする歴史修正主義者たちの目論見を砕くことになる。歴史は誰の手によっても変えることはできない。そのことをあの人たちに思い知らせる裁判でもある。

 二つ目は、家族も含めて植村さんはバッシングを受けた。「捏造記者」と公の場で罵倒されたことによって、一種の村八分状態となったであろうことは窺い知れる。ネトウヨによるつきまとい的ネット上の攻撃は、いのちの危険さえ感じさせられた。それらを解消し、家族の人権を取り戻すのがこの裁判である。

【娘さんの判決報告をする植村隆氏・16/08/03日本弁護士会館】
植村隆氏

 そして三つ目は、言論の在り方を問う裁判でもあることだ。言論の自由というのは、〝何を書いても、発言してもいい〟ということではない。おのずと節度が求められる。しかしこの事件はウソの言論という一種の暴力によって、植村さん一家に被害が広がったことは事実である。

 司法からの言論の在り方に対する過度な介入は要注意だが、少なくともこの裁判で「言論」による被害が起きている事実を認定させる必要がある。その被害救済にあたって、裁判所に〝言論の規範〟のようなものを出させることは正しくない。司法による言論への介入に抵触するからだ。それよりも西岡力氏や櫻井よしこ氏らと、その主張を無批判に掲載した週刊誌への批判を期待したいものである。

 裁判を提起した植村隆さんの決断に改めて敬意を表したい。一人のジャーナリストの「捏造記者ではない」という主張をしっかり受け止め、バックアップしたいものである。とりわけ昨今、戦前回帰の動きが強まっているなかで、この問題を堤防の一穴にさせないためにも。

★脈絡のないきょうの一行
SMAPが今年12月末に解散。いつかはあるのだろうが、この時期だったのだろう。

2016/08/13 [Sat] 10:30:00 » E d i t
 もう一つの「札幌訴訟」をみてみよう。これも小ブログで紹介したが、櫻井よしこ氏が執筆したものを掲載した、新潮社(週刊新潮)、ダイヤモンド社(週刊ダイヤモンド)、ワックス社(WILL)を相手とした名誉棄損の裁判である。もちろん当事者の櫻井よしこ氏をも相手にしている。

 こちらもひどい。よくもまあ、ここまで悪罵を書けるものだと、その精神構造を疑ってしまう。前出単行本の植村さん著作の「真実」から一部を拾ってみよう。

                              ◇
 例えば、『WILL』2014年4月号の「朝日は日本の針路を誤らせる」という論文では、こう書いている。

 「改めて疑問に思う。こんな人間に、果たして学生を教える資格があるのか、と。一体、だれがこんな人物の授業を受けたいだろうか。教員というのはその人物の人格、識見、誠実さを以て全力で当たるべきものだ。植村氏は人に教えるより前に、まず自らの捏造について説明する責任があるだろう」

 10月23日号『週刊新潮』のコラムでは、「朝日は脅迫も自己防衛に使うのか」という見出しを立て、私の記事を「捏造」と批判。「23年前、捏造報道の訂正説明もせず頬被りを続ける元記者を教壇に立たせ学生に教えることが、いったい、大学教育の姿なのか」と主張した。

 特にひどいのは、同じ週に出た『週刊文春』(10月23日号)の「朝日新聞よ、被害者ぶるのはお止めなさい 〝OB記者脅迫〟を錦の御旗する姑息」という、西岡氏との対談記事だ。
 「捏造疑惑について説明責任を果たしていない元記者を教壇に立たせていいのかという問題意識が、本来は先に来るべきでしょう。『週刊文春』(2月6日号)の報道で、私は初めて植村氏が神戸の女子大に勤務する予定だと知り、事実関係の確認の為に、その女子大に問い合わせをしました。大学側は「お答えできません」と回答しましたが、その後、採用は取り消された。現在、北星学園大学で彼に教わっている学生たちは、どのような気持ちでしょう」

 「社会の怒りを掻き立て、暴力的言辞を惹起しているものがあるとすれば、それは朝日や植村氏の姿勢ではないでしょうか」
                              ◇

 いやはや、これは品も格も、羞恥心もない言いたい放題である。暴力的言辞を肯定しそれを煽ってさえいる。その延長に、北星学園に「天誅として学生を痛めつけてやる」だとか、植村さんの娘さんの氏名や写真をネットにさらすなどの、暴力がまかり通ったのである。

 これらの記事は、明らかに言論の自由を逸脱しているし、捏造という言葉を使いながら、実は自身が捏造していることに気づいていない。これらの記事を対象にして植村さんは札幌地裁に名誉棄損の裁判を提起したのである。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
天皇の生前退位、あっていいこと。天皇の人権を守るためにも。

2016/08/12 [Fri] 15:17:43 » E d i t
 週刊文春のこの報道によって、神戸松蔭女子学院大学に「採用するな」の抗議のメールが1週間に250本も届いたという。殺到した抗議を受けて同大学は植村さんに、採用辞退を申し入れてきた。すでに朝日新聞社の退職手続きを済ませていた植村さんは、拒否せざるを得なかったものの大学当局の対応は頑なだった。

 結果、神戸松蔭女子学院大学で教鞭を取ることを断念せざるを得なかった。

 影響は神戸に止まらなかった。現役記者の頃からやっていた札幌の「北星学園大学」の非常勤講師にも影響が出始めたのだ。いわゆるネトウヨが、「植村隆をやめさせなければ爆破する。学生を痛い目に遭わせる」などの脅迫を始めたのである。

 北星学園大学は苦慮した。1500万円を投じて警備強化を行った。同大学出身者や周辺住民が、暴力に屈するな、と「負けるな北星!の会」(略称マケルナ会)を結成し大学を励ました。私もその会にかかわりをもっている。

 さらにネトウヨは、植村さんの家族にも〝触手〟を伸ばした。高校2年生だった娘さんの実名と写真を、ネットに公開したのである。その卑劣なやり方に心ある学者やメディア関係者、そして弁護士らが立ち上がり、ネットに書き込んだ本人を特定し損害賠償の裁判を起こしたのである。その裁判の判決が小ブログでも紹介した8月3日に下されたのである。全面勝訴だった。

 娘さんのこの事件に関して、心温まるエピソードを聞いた。ネット上に娘さんの写真が出たことを知ったとき、「娘を動揺させてはならない」と思い、植村さんはそれを知らせなかったという。一方、娘さんは「父に心配かけさせたくない」と、家庭の中でそのことに触れなかったという。

 考えてみればこの種のネットの扱いは、子どものほうが早いし情報も早い。親よりも早くそのことを知っていたという。しかし娘さんはそのことを隠して、日常生活を送っていた。植村さんは「それを知ったとき、あの書き込みは絶対に許さないと思った」と涙腺を緩ませながら語ってくれた。父娘の優しさ溢れる1ページである。

 以上が、東京裁判の概要である。植村さんは捏造記者でもなんでもない。1991年当時、報道各社が同列視して扱っていた「挺身隊」と「従軍慰安婦」という表現を紙面でしただけのことであった。にもかかわらず、しかも植村さん本人にはまともな取材もせず、週刊文春は「捏造記者」のレッテルを貼って報道したのである。それにワル乗りして、西岡力氏はレッテル貼りに加担したのである。

 その結果、植村さんは仕事を失い家族まで脅迫され、身の危険に晒されることになった。これはもう許しがたい暴力である。

 植村さんは朝日新聞社を退社後、脅迫に屈しなかった北星学園大学の非常勤講師を続ける傍ら、裁判闘争をつづけた。そして現在では、韓国ソウルの「韓国カトリック教会大学客員教授」として活躍している。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
伊方原発再稼働、高江ヘリパッ建設…。強行の裏に潜むファッショ性を見逃してはならない。

2016/08/11 [Thu] 15:30:27 » E d i t
 まず、植村裁判の東京訴訟をみてみよう。これは、前述したように東京基督教大学教授の西岡力氏と文藝春秋社を名誉棄損で訴えた裁判。(※注・経過等は単行本「真実 私は『捏造記者』ではない」と週刊金曜日1016年5月の「抜き刷り版」を参考にした)

 2014年のことだからついこの前のはなし。そのころ植村隆さんは、朝日新聞の北海道・函館支局長として活躍していたが、神戸の「神戸松蔭女子学院大学」がマスメディア論・文章論などを担当する教員の公募を知った。

 しかも新聞記者経験者を求めていた。植村さんは当時55歳で、家族は札幌に住んでいたが、単身赴任でもいいと考え同大学院の門をたたいた。結果、13年暮れに採用が内定した。いわば早期退職による転職である。

 植村さんが神戸松蔭女子学院大学の教員として内定したことを受けて、週刊文春14年2月6日号は「〝慰安婦捏造〟朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」という見出しをつけて報道したのである。その中身は、1991年に植村さんが書いた記事が、捏造であったと断定した上で、である。

 植村さんが書いたその新聞記事のリード部分を紹介しよう。この記事は同年8月11日の朝日新聞社会面のトップ記事として扱われた。

                              ◇
 【ソウル10日=植村隆】日中戦争や第二次大戦の最、「女子挺(てい)身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、1人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」(尹貞王・共同代表、16団体役30万人)が聞き取り調査を始めた。同協議会は10日、女性の話しを録音したテープを朝日新聞記者に公開した。テープの中で女性は「思い出すと身の毛がよだつ」とかたっている。体験をひた隠してきた彼女らの重い口が、戦後半世紀近くたって、やっと開きはじめた」
                              ◇

 この記事に対して、現東京基督教大学教授の西岡力氏は、92年4月号の月間「文藝春秋」に、植村さんが「挺身隊」という言葉を使ったことについて「重大な事実誤認がある」と批判した。当時、「挺身隊」と「従軍慰安婦」という表記は明確に分けられておらず、報道機関は〝同意語〟として使用していた。それはのちに整理されて使い分けられることになるが、西岡氏は鬼の首を取ったかのように、批判したのである。

 朝日新聞社はこの問題について精査し、「問題なし」という結論に至っている。その23年も前の記事を引き合いに出して、週刊文春は植村さんに「捏造記者」というレッテルを貼ったのである。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
中国船の尖閣諸島周辺への挑発航行、報道が事実だとしたら、行き過ぎじゃないの?

2016/08/10 [Wed] 20:03:43 » E d i t
 実にいい判決である。誰が見ても、誰が考えても「あれさえなければ」起きなかった事故である。そのことを実に素直に判断した判決である。以下。

                           ◇=◇=◇
原発事故で失踪、東電に賠償命令=認知症患者の家族勝訴―東京地裁
時事通信 8月10日(水)16時36分配信


 東京電力福島第1原発事故の直後、入院先の双葉病院(福島県大熊町)から行方が分からなくなり、失踪宣告を受けた認知症患者の親族が「行方不明になったのは原発事故が原因だ」として、東電に4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(水野有子裁判長)は10日、東電に計約2200万円の支払いを命じた。

 東電は「地震による停電で病棟の電子錠が開いたことが原因」と主張したが、水野裁判長は「事故がなければ病院職員は避難せず、患者の外出を防げた」と退けた。

 判決によると、認知症で入院していた女性患者=事故当時(88)=は、避難指示が出た2日後の2011年3月14日、病院内で無事が確認されたのを最後に行方が分からなくなった。親族の申し立てを受けた福島家裁相馬支部は13年、「事故後に1人で病院外に出て、ほぼ無人となった地域を徘徊(はいかい)し、死亡の原因となる危険に遭遇した」と認定、失踪宣告した。

 東京電力ホールディングスの話 判決内容を確認した上で、真摯(しんし)に対応する。
                           ◇=◇=◇

 「あれさえなければ」起こり得なかった補償裁判が各地でたたかわれている。原発事故の被災地周辺から逃れた家族の生活補償裁判がそれだ。いわゆる指定地域以外の住民は、避難しても生活補償の対象になっていない。ゆえに、幼い子どもをかかえたお母さんたちは、子どもを守るために逃れたにもかかわらず、補償対象から外れているのである。

 この問題と、前述の判決は連動していると思う。ごく自然に考えれば、被災地周辺から逃れるのは、摂理である。「逃れなかった人もいるではないか」という反論もあろう。逃れなかった人、それもまた摂理である。だから、逃れた人を救済するのを拒否することは、摂理に反することである。

 すみません、判じ言葉みたいになって。逃れた人はその理由があり、同じ地域に住んでいても逃れなかった人にも理由がある。そこはそもそも推し測る〝モノサシ〟が違うのであり、片方を理由に片方を切り捨てることはできないのである。

 今回の判決は、「あれさえなければ」という現象に対して、ごく自然に判断したものである。当然すぎる判断だが、意味あるそれであることを考えてみたい。

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オリンピックの報道を見ていると、ナショナリスト(民族主義者)になってしまう。私も小市民である。

原発問題 *  TB: 0  *  CM: 0  * top △ 
2016/08/08 [Mon] 10:59:16 » E d i t
 植村隆・朝日新聞元記者が東京基督教大学教授の西岡力氏と文藝春秋社を名誉棄損で訴えた裁判の第6回口頭弁論が、8月3日午後東京地裁で開かれた。その傍聴に行った。植村氏はもう一つ櫻井よしこ氏、新潮社、ダイヤモンド社、ワックス株式会社を相手とした名誉棄損の訴えを札幌地裁に起こしている。前者を「東京訴訟」、後者を「札幌訴訟」と表記したい。

 植村元記者をバッシングする発言や報道は目に余るものがあった。それは〝やったもの勝ち〟的なひどいもので、植村さんの仕事先や家族を巻き込む日常生活にも悪影響を及ぼすものとなった。その憤りは推して余りある。

 植村さん対する「捏造記者」というバッシングは、彼個人の問題ではないと考える。ヘイトスピーチは在日韓国人に向けられたもののように映るが、それだけにとどまらず日本の民主主義や言論が危機になっているのだ。そういう視点から通称「植村裁判」を以下、考えてみたい。お付き合いください。

 植村さんは、自身の二つの裁判だけでなくもう一つ、家族の裁判を抱えている。娘さんへのネット上の中傷・脅迫への損害賠償裁判だ。東京地裁でその判決が3日言い渡された。まずそこから入ろう。

 判決は、原告の主張を認める全面勝訴であった。その内容を3日の「弁護士ドットコム」から見てみよう。

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 判決によると、問題のツイートは女性が高校2年生だった2014年9月に投稿された。ツイートの中では、女性の顔写真とともに、名前や学校、学年が示されており、「超反日サラブレッド」など誹謗中傷する言葉も書かれていた。

 裁判所は投稿当時、植村氏や家族に対する、脅迫状やネット上のバッシングが多数あったことを認定。「当時17歳の高校生であった原告の恐怖及び不安は耐え難いものであったと考えられる」と指摘し、問題の投稿を「悪質で違法性が高い」ものと判断した。

 会見では、「匿名の不特定多数からのいわれのない誹謗中傷は、まるで、計り知れない『闇』のようなものでした」とする女性のコメントも読み上げられた。コメントの中で女性は、今回の判決について「不当な攻撃をやめさせるための契機になってほしい」「健全なインターネットの利用とは何かについて、考える機会になってほしい」などと思いをつづっている。
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 この裁判が結審したとき、裁判所から和解の打診があったという。しかし彼女は、判決を得ることによって同じことが繰り返されないようにしてほしい、と拒否しこの日の判決となったもの。和解のはなしがあったことは事前に聞いていた。しっかりした娘さんである。(次回につづく)

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