ヘボやんの独り言
01« 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28.»03
10862 「約束」② 
2013/02/28 [Thu] 11:20:52 » E d i t
 死刑囚となった奥西さんは1974年、1975年、1976年、1977年、1988年と5次にわたる再審請求をしましたが、棄却。この事件を知った弁護士たちが弁護団を結成、それまで一人でたたかっていた奥西さんは、弁護士の援護を受けて再審請求をつづけ、2005年2月、第7次再審請求のなかで毒の特定をするため、弁護側鑑定人を証人採用をさせ、同4月5日、名古屋高裁はやっと再審開始を決定したのです。このとき、死刑執行停止の仮処分も命じました。

 名古屋高裁は再審開始決定の理由のなかで、びんの王冠を開く方法や、自白で白ワインに混入したとされる農薬(ニッカリンT)と、ぶどう酒から検出された農薬の種類が矛盾すること、歯形の鑑定にミスがみつかったことなどが新規性のある証拠となる、としました。これこそ道理ある判断でした。

 ところがこの決定を不服とした検察は異議申し立てを行い、同じ名古屋高裁の別の裁判官が再審決定を取り消し、これを不服として弁護団は最高裁に特別抗告しました。最高裁は高裁に差し戻したものの、名古屋高裁は2012年5月25日「捜査段階での被告人の自白に信用性が高い」として、ふたたび再審開始の取り消しを決定。奥西さんの弁護団は最高裁判所へ特別抗告を行い、現在に至っています。

 裁判の変遷は非常に複雑なのですが、裁判所は初審の津地裁と第7次再審請求時の名古屋高裁の再審が「無罪」を主張し、あとは全て有罪扱いとなっています。裁判所は一体誰のためにあるのか、疑いたくなります。

 ところがそうではない国民目線に立つ裁判官もいます。徳島ラジオ商殺しで再審を決めた裁判官が実写で出てきました。彼の一言は重みがありました。「裁判官の間違いで有罪を宣告されても、被告は裁判所を信じています。その人たちのことを思うと申し訳なく思う」と。

 この映画は、昨年6月に東海テレビがドラマとして放送したものです。テレビ放映をしたことが功を奏しているのかもしれませんが、実写と俳優陣による演技を交えて進行します。奥西勝さんはすでに86歳。残された時間はそうありません。その役を仲代達也が演じます。死刑囚にとって朝の刑務官の靴音は恐怖です。自分が今度は(死刑)執行されるのではないか、そのために呼びにきたのではないか。靴音が遠ざかるとほっとします。

 奥西さんは、そういう恐怖を最高裁で刑が確定して以来51年間、味わってきたのです。仲代達也のその恐怖と安どの表情づくりもまた、すごい。母親役の樹木希林が面会に通う名古屋拘置所(死刑囚は刑務所ではなく拘置所に収監される)前を歩く姿は痛々しい。息子は無実である、という信念が、たどたどしい言葉に伝わってきます。

 反原発の象徴となった、山本太郎は若いころの奥西さんを演じます。子ども2人に囲まれて幸せだった家庭は、毒ぶどう酒を飲まされて死んだ妻、本人が容疑者として逮捕されたことによって一変し、どん底に突き落とされます。奥西さんが逮捕された直後の実写が出てきました。娘がしきりに父親に呼びかける姿は、涙を誘いました。

 奥西さんを支援する人たちの姿もリアルに描かれていました。川村富左吉さんもその一人です。川村さんは国民救援会愛知県本部の事務局長をやりながら、奥西勝さんの『特別面会人』として彼を支えました。一人で再審をたたかっていた奥西さんにとって、川村さんの存在はどれほど大きかったことか。この川村さんの役を俳優の天野鎮雄さんが演じていますが、実写の川村さんと俳優の天野さんが重なってしまい、戸惑った私でした。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
先の総選挙で「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」というポスターを張り出した山形県出身の自民党議員。これは明らかな公約。ウソつかないでしょうね。

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10861 「約束」① 
2013/02/27 [Wed] 12:38:57 » E d i t
 こんなことも出来るのか。役者の凄さみたいなものを垣間見ました。死刑囚・奥西勝役の仲代達矢の、母親が面会に来たときの感情豊かな表情は、私たちには到底まねのできない、驚くほど芸術的で涙が止まりませんでした――。

 このまえの日曜日、映画と芝居(ミュージカル)の二つを〝一気観〟しました。映画は名張ぶどう酒事件をモチーフにした「約束」。ミュージカルはわらび座の「アトム」。一日のうちに映画と芝居の二つを観るという贅沢は初めてのことでした。このうちの「約束」を紹介しましょう。

 この映画を観る前に「約束」という題名に違和感を覚えていました。えん罪事件をモデルにした映画にしては、あまりにも単純すぎるネーミングだと思ったからです。しかし、観ていくうちにその意味の深さと、その題名の重さがずっしりとのしかかってきました。

 本題に入るまえに、この名張ぶどう酒事件をおさらいしてみましょう。1961年3月28日、三重県名張市葛尾地区公民館で、その地域の農村生活改善クラブの総会が開かれました。この総会には男性12人と女性20人が出席しています。この席で男性には日本酒、女性にはぶどう酒が出され、ぶどう酒を飲んだ女性17人が急性中毒となり5人が亡くなった、という事件です。

 捜査当局は、日本酒を出された男性とぶどう酒を飲まなかった女性3人に異常はなく、ぶどう酒に原因があるとして調査した結果、ぶどう酒に農薬が混入されていることが判明。警察は重要参考人として総会に参加した男性3人を聴取、うち、1人の妻と愛人が共に被害者だったことから、「三角関係の解消」が犯行の動機とみて、奥西勝さんを追及。

 4月2日の時点では自身の妻の犯行説を主張していました。が翌、4月3日には農薬混入を自白したとして逮捕されたのです。その逮捕直前、奥西は警察署で記者会見に応じています。ところが、逮捕後の取り調べ中から犯行否認に転じ、裁判でも否定しつづけました。

 裁判は、1964年12月23日一審の津地方裁判所は自白の任意性を否定しなかったものの、目撃証言から導き出される犯行時刻や、証拠とされるぶどう酒の王冠の状況などと奥西の自白との間に矛盾を認め、無罪を言い渡しました。検察側はこれを不服として名古屋高裁に控訴。

 二審の名古屋高裁は1969年9月10日、一審の判決を覆して奥西に死刑判決。目撃証言の変遷もあり犯行可能な時間の有無が争われましたが、高裁は毒物を混入する時間はあった、と判断したのです。さらに、ぶどう酒の王冠に残った歯形の鑑定結果についても、王冠に残った痕跡から犯人の歯型を確定するのは不可能である、とした法医学者もいましたが、信頼できるとしたのです。奥西は判決を不服として最高裁に上告しました。しかし1972年6月15日、最高裁は上告を棄却、死刑が確定したのです。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
TPP参加へ傾斜強まる。国民のいのちとくらしにかかわるTPP参加、許してならない。
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2013/02/22 [Fri] 11:20:08 » E d i t
 野球選手じゃないぞ!! いわゆる国民総背番号=マイナンバー制度導入の動きが出てきました。合理的なように見えるこの制度、果たして国民の役に立つのでしょうか。考えてみましょう。以下、産経新聞ウェブから。

                         ◇=◇=◇
マイナンバー制 関連法案 来月1日、閣議決定 共通番号制導入へ
産経新聞2月21日(木)7時55分配信

 政府・与党は20日、国民一人一人に番号を割り振り、納税情報や社会保障情報を一元的に管理する共通番号「マイナンバー」制度を導入するための関連4法案について、3月1日に閣議決定する方針を決めた。今国会で予算関連法案として成立させ、平成28年1月の利用開始を目指す。

 4法案は、民主党政権が昨年の通常国会に提出後、自民、公明、民主3党の実務者で修正協議を続けていたが、昨年11月の衆院解散でいったん廃案となっていた。政権交代後、政府・与党は3党の修正協議の結果を踏まえて、法案を国会に提出する。法案は、27年に市区町村が国民全員にマイナンバーが記載された「通知カード」を送付する。希望者に、通知カードと引き換えに顔写真付きの「個人番号カード」を配る。

 個人番号カードは本人確認のための公的証明書として利用できるほか、民間カードとの連携も期待されている。行政機関にとっては、事務効率化に加え、正確な所得情報の把握や社会保障の不正受給防止などのメリットがある。

 ただ、個人情報の一元化に伴い情報漏洩(ろうえい)の被害も予想される。法施行1年後をめどに、マイナンバーを適切に利用しているか行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」の権限拡大を検討する。政府のインフラ投資の無駄を減らすため、政府の電子システムを統括する政府CIO(最高情報責任者)に「内閣情報政策監」としての法的権限も持たせる。

 住民基本台帳ネットワークをもとに国民全員に番号を付け、年金、医療、介護、福祉、労働保険、税務などの利用情報を結び付ける制度。効果的な社会保障給付や災害時の被災者支援などでの活用が期待できるが、個人情報漏洩や目的外利用を懸念する声も根強い。
                         ◇=◇=◇

 この制度導入の意義として言われてきたのは①公平な社会の実現②効果的な政策③効率的な行政――の3つでした。①と②は単なるつけ足しに過ぎません。公平な社会の実現はほど遠く、生活保護基準の切り下げの動きに見られるようにむしろ不公平は深化しています。「効果的な政策」も同じです。何をもって「効果的」というのか、何の「政策」なのかも不透明のままです。

 あの人たちの真の狙いは③にあります。行政を効率的に行うことを名目に、国民に番号をつけて監視しようというのです。産経新聞ウェブも心配していますが、個人情報の漏えいや、目的外使用問題も出てきます。ここから、あの人たちは「だから秘密保全法が必要だ」と言い出すであろうことは目に見えています。

 私たちに背番号はいらない。国民は家畜ではない! という声を広げる必要があります。

★脈絡のないきょうの一行
選挙制度問題、いよいよ動き出した。小選挙区制廃止を大前提にすべきだ。
政治問題 *  TB: 0  *  CM: 0  * top △ 
2013/02/21 [Thu] 12:27:19 » E d i t
 サラリーマン川柳100選のつづきです。

我が家では 父の領土は 寝床だけ
スカイツリー 金環食で 首鍛え
父の日は 昔ネクタイ 今エプロン
気遣いは 昔上司に 今部下に
この日本 一途の光 ノーベル賞
悩み事 話すはスマホの コンシェルジュ
決めごとは まずはパートに きいてから
我が家では ママと合流 勝ち組に
携帯と 亭主の操作は 指一本
禁煙を? 「近いうちに」と 煙に巻く
父からの 友達申請 ひく娘
ゆるキャラと 思えば愛しい 肥えた妻
インターホン 佐川男子に 声かわる
にわか医師 問診し合う 同窓会
山ガール 恋の道にも 山が(・)あ(・)る(・)
乗る妻も 体重計も 悲鳴上げ
iPS 再生したいな 国・経済
わが女房 タッチすれども 作動せず
子の次と 思っていたのに 犬の次
その爪で ホンマに料理が 趣味でっか
今日します 明日しますと もう師走
ああなるまい 50越えたら そうなった
よみがえれ!! 50度洗いで 妻の肌
洗濯機 いつもパパだけ 貸し切りで
ノーベル賞 家(うち)にないのは 平和賞
さッどうぞ 席譲られて わが身知る
スッピンで プールに入り 子が迷子
光りもの 妻はダイヤで オレさんま
家族割 あるのに妻と 通話なし
入れ歯取れ きゃりーぱみゅぱみゅ 言えた祖父
飲み仲間 ハローワークで 打ち合わせ
「節約(せつやく)」と 貼(は)ったチラシは フルカラー
同窓会 名前出ないが 盛り上がる
要するに 何回言うの まとめてよ
上司より 難攻不落 嫁の許可
会社より 家でされたい 肩たたき
IPS 分からん俺は 単細胞
新入りを 待って幹事を 九年間
孫が来て 急に良くなる 夫婦仲
「美魔女かな?」 化粧濃すぎて ただの魔女
あついのに 脱ぐに脱げない ミートテック
みつめ合い 時も過ぎれば 睨み合い
独身の 残りものには 癖がある
「辞めてやる!」 会社にいいね!と 返される
妻外出 ルンバと俺が 踊りだす
ペンディング 結局できずに エンディング
生命線 見せたら妻が 不機嫌に
フライング ゲットしちゃった 退職金
合理化の 資料作りで また徹夜
俺の愚痴 “いいね”ボタンを 妻が押し

★脈絡のないきょうの一行
3人の死刑囚に死刑執行。法的に可能とはいえ、砂を噛むような気分だ。

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2013/02/20 [Wed] 11:01:05 » E d i t
 毎年行っている第一生命の「サラリーマン川柳」は今年で26回目となり、100選が昨日発表されました。応募総数3万490句から選ばれたもの。これからさらに投票によって、10句が栄冠に輝くことになるといいます。笑えます。なかには悲しいくらい笑えるものがあります。その100句すべてを2回に分けて紹介しましょう。

党名を 覚える前に 投票日
オヤジギャグ いいね!を押すのは 中高年
ゆるキャラの おなか指差し ママみたい
姉妹でも 父似母似で 明暗か
オスプレイ 何んの競技と 孫に聞く
我(ワレ)メイド 息子(ムスコ)ワイルド 妻(ツマ)ワイド
LED 覚えた直後に LTE
政治家も ビールに負けじと 第三に
ダルビッシュ 一球だけで 我が月給
小遣に 消費税を かける妻
ジャンケンで 負けても妻が センターだ
参考書 たくさん買えば ひと安心
風呂にいた ムカデ叩けば ツケマツゲ
夢がある 君の話は 無理がある
年賀フォン 明けおめ ことよろ これもエコ?
半世紀 綴ってみれば 反省記
家のこと 嫁のブログを 見てわかり
軽く飲もう 上司の誘い 気が重い
ワイルドな 妻を持つ俺 女々しくて
何かをね 忘れたことは 覚えてる
いい夫婦 今じゃどうでも いい夫婦
家事停止 望むは妻の 再稼動
孫の名が ふつうに読めて ホッとする
頼みごと 早いな君は できません
妻と子に 話しかけたが 独り言
タニタより 我が家の食事 低カロリー
営業に 連れて行きたい 嫁の口
妻の言う 「うちのルンバ」は 俺のこと
宅配便 箱はメロンで 中は芋
スカイツリー 人多すぎて 新迷所
妻よりも しゃべってなでてる タブレット
不景気が 味をよくする 発泡酒
人生に カーナビあれば 楽なのに
詳しくは ホームページに 入れない
会費制 元を取ろうと 酔いつぶれ
いつ課長? 妻に聞かれて 近いうち
部下にオイ 孫にホイホイ 妻にハイ
LCC 缶コーヒーかと 上司言い
受験生 神もお手上げ 絵馬の誤字
社宅では 上司の妻が 妻の部下
読みきれぬ 妻の心と 円と株
すぐキレる 妻よ見習え LED
母の味 ラー油の次は 塩麹
窓口で 齢も聞かれず 割り引かれ
電話口 「何様ですか?」と 聞く新人
「俺も行く」 言ったら止めた 妻の旅
我が家では 子どもの寝顔が 金メダル
領土権 我が家はみんな 妻のもの
やな上司 退職したのに 再雇用?
同窓会 顔より先に 頭見る

(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
沖縄の普天間の代替地として辺野古へ動き出した政府・自民党。許してはならない。

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2013/02/18 [Mon] 17:15:02 » E d i t
 日本は火山国であることを考えれば当然ですが、またしても原発近くに活断層が見つかりました。以下、朝日新聞ウェブから。

                         ◇=◇=◇
「東通原発に活断層」と判断 規制委が報告へ
朝日新聞デジタル2月18日(月)11時26分配信

 東北電力東通原発(青森県)の敷地内の断層を調査している原子力規制委員会は18日、外部の専門家らによる評価会合を開き、問題の断層は活断層の可能性が高いとする報告書案を示した。断層は原子炉の近くを通っていることから耐震安全性の見直しが必要になり、東通原発の停止が長期化する可能性が高い。

 規制委の評価会合が原発敷地内の断層を活断層の可能性が高いと判断したのは、日本原電敦賀原発(福井県)に続いて2例目。

 今回主に調査した断層は、東通原発の敷地内を南北に走る「F―3」と「F―9」。F―3は長さ数キロに及び、原子炉建屋の西約400メートルを通る。北側に建設中の東京電力東通原発の敷地に達している。
                         ◇=◇=◇

 今更ながらですが、日本の国土はどこに行っても大小の差こそあれ、活断層は存在するのです。むしろない場所を探すほうが難しいかもしれません。日本列島は火山の上にできている島なのですから、これは当然のことです。恐らく、そのほかの原発周辺を調査し直せば、活断層は必ず発見されるはずです。

 ということは、この国に原発は似つかわしくないということなのです。3.11東電福島第一原発事故以来、原発所在の各地で調査・議論されてきましたがことごとく危険信号が出されています。それは当然です。

 よくよく考えてみたら、原発をつくる前も危険性は同じだったはずですから、本来ならつくる前に調査しその結果に基づいて建設するかどうかの判断をすべきだったのではないでしょうか。ところが、全国に54基もの原発がつくられました。なぜか。

 これもまた、はっきりしています。「原発建設ありき」から始まっているからです。お座なりの調査をして、「問題なし」の結論を出して、住民に安全神話のウソを振りまき、原発は作られてきたのです。私はまだ間に合うと思います。いますぐ、原発をやめて再生可能エネルギーに転換すべきです。それが火山列島に生きる日本という国にとって一番ふさわしい選択だと思います。

★脈絡のないきょうの一行
おいおい、またかよ。銀行株や証券株が上がるのは、バブルの予兆ではないのかい。危!
原発問題 *  TB: 0  *  CM: 0  * top △ 
10856 東京物語③ 
2013/02/15 [Fri] 14:09:19 » E d i t
 とみこの傍に駆け寄った周吉の動きは、それまで見せなかった俊敏さでした。愛する人が倒れたときに無意識に取る行動の演出に脱帽です。結局、とみこはそのまま明け方に息を引き取ります。直後、周吉はとみこが運ばれた病院の屋上に出て後から追いかけてきた昌次と一緒に、東京の日の出を見ます。その姿がまた綺麗でした。

 小津作品では、とみは尾道に帰ってから倒れます。そのとき、戦死した息子の嫁・紀子(原節子)が一番に駆けつけます。そして、とみが亡くなったあと日の出を見るのは周吉と紀子でした。小津作品はモノクロですから、色合いは分かりませんが太陽は白く輝いていました。

 東京でとみこをお骨にして、それを抱いて周吉はふるさとに帰り葬式を行うことにします。それに紀子がしっかり寄り添います。しかし周吉は口をきいてくれません。葬式に東京から出てきた子どもたちは、忙しいからと後を昌次と紀子に任せて、そそくさと帰っていきます。

 口をきいてくれない周吉に紀子は不安を感じ、いよいよ明日帰るという日、紀子は周吉に別れを告げます。そこでやっと周吉は口を開いてくれました。「かあさんは倒れる前にいい人と出会った、と嬉しそうにいうとった。それがあんただった。ありがとう。あんたはいい人だ」とお礼をいいます。

 しかし紀子は「私はそんなことはありません。ここに来たことが良かったのかどうか、ずっと迷っていました。決していい人なんかではありません」と涙声で答えます。周吉は「そういう正直なところがいい人なんじゃ」と言いながら、妻のとみこが大事にしていた腕時計を形見にもらってくれ、と渡します。紀子は素直にそれを受け取るのでした――。

 連休明け12日の夜、私は娘と久しぶりに飯田橋の居酒屋で飲みました。居酒屋での父・娘だけの場面は10数年ぶりだったかもしれません。仕事一筋の娘から、一区切りつけたいという話しがでました。私は静かに聞き入りうなづくだけでした。変化が起きたときこそ、家族は大切だし大事なのだ、と、改めて感じていました。

 この項の表題は、敢えて「東京物語」にしました。小津作品が原点になっているのがその理由です。整理する意味で、両作品のキャストを紹介しましょう。左側が「東京物語」、右側が「東京家族」のそれです。小津作品の出演者でいま生きている俳優は、このとき21歳だった香川京子(現在81歳)さんだけです。昭和は遠くなりにけり、です。

 笠智衆(平山周吉)       橋爪功(平山周吉)
 東山千榮子(平山とみ)     吉行和子(平山とみこ
 山村聰(長男、平山幸一)   西村雅彦(長男、平山幸一)
 三宅邦子(幸一の妻、文子)  夏川結衣(幸一の妻、文子)
 杉村春子(金子志げ)      中嶋朋子(次女、金井滋子)
 -                 妻夫木聡(次男、平山昌次)
 原節子(次男妻、平山紀子)  蒼井優(間宮紀子)
 香川京子(次女、平山京子) -
 中村伸郎(志げの夫)     林家正蔵(滋子の夫)
 大坂志郎(三男、平山敬三) -
 十朱久雄(服部)        -
 長岡輝子(服部の妻)     茅島成美(服部の妻、京子)
 東野英治郎(沼田三平)    小林念侍(沼田三平)

★脈絡のないきょうの一行
パソコン遠隔操作の容疑者、いまなお否認。ケイサツは大丈夫かなー。

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10855 東京物語② 
2013/02/14 [Thu] 11:57:04 » E d i t
 きょうはバレンタインデー。チョコレートはどのくらい売れたのかなー。

 長男・幸一と長女・滋子はお金を出し合い、両親をホテルに泊まらせます。小津作品では熱海に行かせるのですが、これも世相を反映しています。高級ホテルに泊まった二人は、洋食の食事や慣れないベッド、宿泊客の大声などでなかなか寝つけず2泊のところを1泊で帰ってしまいます。

 ところが帰った先の長女の家では、町会の会合があり対応できないと嘆きます。やむなく周吉は亡くなった旧友・服部のところに線香をあげに行き、もう一人の旧友・沼田三平(小林念侍)宅に泊めてもらおうと出かけ、とみこは次男の昌次のところに行きます。服部の家で線香をあげながら、周吉はその横に女性の写真があることに気づき、「これはどなたですか」と尋ねます。

 服部の妻は「母です」と言い、亡くなったのはいつかという問いかけに「昨年の3月11日です。遺体は今も分かりません」と答えます。それを聞いた周吉は絶句します。沼田と周吉は沼田の行きつけの居酒屋で飲み始めます。酒好きの周吉は健康を考えて酒を断っていましたが、沼田と話すうちに酒に手をつけてしまいます。

 しかも、息子が部長になったと聞いていたものの、係長であることを告白され沼田の親子関係も芳しくないことを知ります。結局あてにしていた泊りもできず、夜通し酒を飲み明け方に長女の家にもどり、断っていた酒を飲んだため悪酔いし嘔吐してしまい顰蹙(ひんしゅく)を買います。

 この旧友との居酒屋のシーン、小津作品では3人一緒です。平山周吉役の笠智衆、服部役の十朱久雄、沼田三平役の東野英治郎がいい味を出しています。もちろん3人とも彼岸の人になっていますが、配役もそろっていたのです。

 一方とみこは、昌次の家に行き室内がきれいに片付いていることに驚き、手料理をつくり食べさせます。その家に若い女性が現れました。昌次の恋人、間宮紀子です。この映画が始まって1時間10分程度だったでしょうか、待ちに待った私の好きな蒼井優がやっと登場です。

 紀子の存在を知らなかったとみこは「どこで知り合ったのか」と問いかけ、二人は東日本大震災の被災者支援のボランティアに行ったとき、と答えます。昌次は「いい子がいると思った。早く告白しないと誰かに取られると思ってプロポーズした」と語り、母親に紹介します。私が昌次だったらきっと同じことをしたでしょう。

 とみこは明るく素直な紀子が気に入ります。「この子なら大丈夫」と思ったのでしょう、昌次が電話で席を外したすきに、「必要になったら使ってください」と紀子にお金を渡します。紀子は断りますが、昌次のために使ってほしいと懇願され、預かります。小津作品では逆で、紀子が周吉の妻・とみ(東山千榮子)に「少ないですが」と小遣いをわたしています。この逆転表現も今様です。

 紀子に会ったとみこは上機嫌で長女の家に帰ってきて、「きのうは昌次の家に泊まって良かった」と大喜びです。その理由を聞いても「昌次がそのうち話してくれる」と答えてくれません。一休みすると言って2階に上がる途中で、とみこは倒れます。前日、ホテルからの帰りに眩暈を起こし、ふらついたとみこのことを知っている周吉は、慌てて駆け寄ります。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
日本人2人の死亡を含むグアムの殺傷事件、何やら秋葉原の事件に似てきた。世界の若者は病んでいるのか。

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10854 東京物語① 
2013/02/13 [Wed] 11:13:00 » E d i t
 ゆったりした時間が流れていきます――。

 「あんたはいい人やのう」年老いた夫婦は別々の場所ですが、蒼井優演じる次男・昌次(妻夫木聡)の恋人、間宮紀子に語りかけます。紀子は必死に「そんなことはない、私はそんな人間ではありません」と否定します。そのときの紀子の表情の硬さと愛らしさは、言葉にできません。実は、本当に「いい人」は年老いた夫婦だったのかもしれません。

 山田洋次監督映画の「東京家族」を観ました。この映画は小津安二郎監督の「東京物語」をリメークしたといいますから、自宅に戻って改めてそのDVDを観ました。確かにそのとおりでした。小津安二郎がこの映画をつくったのは1953年ですから、60年ぶりの復活となります。時代背景は違っても、「小津精神」はしっかり受け継がれている、そう感じました。それはまた、山田洋次という映画人の凄さでもあります。

 以下、「東京物語」を小津作品、「東京家族」を山田作品と言い換えます。

 小津作品では尾道から夜行列車に揺られて東京に出ますが、山田作品は瀬戸内海の小島に住む平山周吉(橋爪功)、とみこ(吉行和子)夫婦は新幹線で東京に向かいます。品川駅で下車した二人を迎えに出ているはずの昌次がいません。昌次は両親が下車するのは東京駅だと思い、そちらで待っていますが出会うわけがありません。

 ケイタイ電話のやりとりで、昌次は品川まで出るといいますが待ちきれない二人はタクシーを拾い、小さな町医者を開業する長男・幸一(西村雅彦)宅に。その妻・文子(夏川結衣)や大きくなった孫たちとあいさつを交わしますが、ぎこちない。

 間もなく待ち合わせ場所をすれ違った昌次と、美容院を経営する長女・金井滋子(中嶋朋子)がやってきて、子ども3人を含めて家族全員が揃います。小津作品では、子どもは5人の設定となっています。町医者の長男、戦死した次男、大阪で国鉄勤務の三男、長女と次女です。子どもを3人に減らしたのは、現代風といえます。

 親を迎えた子どもたちの会話が実に面白い。夕食を何でもてなすかという相談です。53年頃、肉は希少価値だったのでしょう、小津作品は肉料理と決めています。対して山田作品はスキヤキにします。60年を経た現代でも、その会話が自然に成り立っていることに驚きでした。

 老夫婦は東京見物をすることになり、長男、長女ともに仕事が忙しいと案内を昌次に頼みます。昌次は舞台や映画の大道具係りの仕事をしています。仕事も収入も安定しませんが、自分の好きなことをやっていることに誇りを持っています。しかし両親はそのことに不満です。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
北朝鮮の核実験、断じて許されない。同様にアメリカなどの核実験も厳しく批判してほしいね、メディアさん。

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10853 丸刈り 
2013/02/11 [Mon] 12:23:19 » E d i t
 地方紙から面白い記事を見つけました。「AKB48」の一人が禁止されている恋愛を行った〝お詫び〟として、丸刈りになって話題になったことは記憶に新しいところですが、その丸刈りの話題です。

                         ◇=◇=◇
丸刈りCM反響バリバリ 高田引越センター
愛媛新聞ONLINE 2月8日(金)11時48分配信

 「バリバリ丁寧~、バリバリ安心~」―。不思議と耳に残る歌に合わせ、若い女性がバリカンで頭を丸刈りにする「高田引越センター」(愛媛県東温市)のCM。ただでさえ衝撃的なのに、アイドルグループ「AKB48」メンバーが、インターネット上で、丸刈り姿で謝罪した騒動と時期が重なり、同社には問い合わせや東京のテレビ局から取材申し込みが相次いでいる。

 CMは1月17日から県内テレビ局で放映。1月末のAKBメンバーの謝罪後、注目度は急上昇。メールや電話は全国から100件を超え、「画像加工しているのか」「女性の名前を教えてほしい」などの反響や、「CMでなぜ丸刈りにしなければならないのか」というクレームも。

 同社はこれまでにもユニークなCMを多数制作してきたが、高田政信社長は「今回の反響は想像以上。クレームも素直に受け止め、業務や次のCMに生かしたい」。
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 女性の丸刈りが話題になるほど注目されるのは、「髪」と「女性」の共通イメージがあるからでしょう。個人の趣向の差はあるのでしょうが、確かに長い黒髪の女性は魅力的だと思います。出家女性は髪を切ってしまいます。「髪はおんなのいのち」とまで言う評論家もいます。

 そういうものがあいまって、女性が丸刈りにすることは稀有であることが話題を集める遠因になっているのではないでしょうか。前述の「AKB48」のメンバーが丸刈りになったとき、「やりすぎだ」「夢を売る商売だから、約束はまもるべき」「アイドルの恋愛禁止は当然」などなど議論があったようです。

 女性の丸刈り問題が話題になってしまうニツポン。ちょっと変な感じがするのは私だけでしょうか。そういえば、私が高校生のとき体育祭でバレーボールに負けたら、選手は丸刈りにするという約束があり、丸刈りにした経験があります。そのとき、約束違反をしたクラスメートが一人だけいました。彼は十円ハゲでもあったのでしょうか、今でもナゾです。

★脈絡のないきょうの一行
パソコン遠隔操作の犯人逮捕。いくらなんでも今回は誤逮捕じゃないでしょうね。
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10852 照射 
2013/02/08 [Fri] 11:03:33 » E d i t
 アクション映画で、戦闘機が敵を追いかけ相手に狙いを定めて爆撃寸前に「ロック・オン!」という台詞(せりふ)が登場する場面をご覧になったことがあるでしょう。そのあと上官からの発射命令が下れば、操縦士がボタンを押して搭載ミサイルが発射される、というのが映画の定番です。発射こそされませんでしたが、東シナ海で起きた中国艦船による日本の自衛艦への「照射」はそういうシーンを連想させるものでした。

 この問題、大変危ない内容をはらんでいますが「照射」とはなんでしょう。一言でいえば、「爆撃準備行動」ということになります。近代の武器は全てコンピュータ管理されており、攻撃する相手の位置や、(飛行機の場合は)高さを測定し発射角度や距離を計算します。その際、相手に電波を送り計算することになります。

 その電波を送る作業を「照射」といっているわけです。この行為は、シロウトの私たちでも理解できるほど明らかな戦闘行為です。戦闘に入る気がないのであれば照射など必要ないからです。照射は国連憲章に抵触するといいます。昨日の衆院予算委員会で小野寺五典防衛大臣は「国連憲章上、武力威嚇にあたるのではないかということで対応を検討する」(毎日新聞ウェブ)と述べています。

 この原稿を書いている最中に時事通信の以下のウェブが入ってきました。おや、おやと首をかしげたくなる内容です。

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中国、レーダー照射否定=日本政府に伝達―岸田外相会見
時事通信 2月8日(金)9時16分配信

 岸田文雄外相は8日午前、閣議後の記者会見で、中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダー照射に関し、7日夕に中国側から「日本側が対外公表した内容は事実に合致しない」と日本政府に伝えてきたことを明らかにした。これに対し、日本側は「中国側の説明は全く受け入れられない」と反論したと発表した。

 中国側の説明は7日夕、中国国防省から北京の日本大使館に伝えられた。レーダー照射をめぐり、中国側は5日、日本側の抗議に対して「事実を確認している」としていた。

 7日の中国側の説明に対し、日本側は「わが国の防衛省で慎重に分析を行った結果だ」と指摘した上で、「ぜひ誠実な対応を求めたい」と主張した。
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 水掛け論ならぬ〝照射掛け論〟の様相を帯びてきています。照射された方もコンピュータを搭載していますから、されたかどうかは当然監視できるはずで、中国政府の言っていることが正しいとしたら、日本の自衛隊が間違っていることになります。なんだか変ですが、いずれにしても間違っても引き金を引くような事態にならぬよう、国際的な監視が必要です。

★脈絡のないきょうの一行
歌舞伎界の大物が立て続けに物故。銀座の歌舞伎座を壊した祟りとかいう噂があるらしいが……。

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2013/02/06 [Wed] 12:21:55 » E d i t
 暴力問題で荒れる柔道界ですが、昨日、パリでひらかれる大会に向けて選手団が出国しました。その模様をサンケイスポーツが伝えていますが、発表された「声明文」の内容の詳細を強化委員長が知らなかったといいます。どうしたことか、不可解です。やはりヘンです。以下、サンスボのウェブから。

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サンケイスポーツ/2013.2.6 05:03
斉藤強化委員長がKY発言…選手はシ~ン/柔道

 柔道のグランドスラム・パリ大会(9、10日)に出場する日本女子代表9選手が5日、成田空港から出発した。園田隆二前監督(39)が暴力問題で辞任し、田辺勝コーチ(40)が監督代行を務める異例の事態の中、選手は無言を貫いた。同行する全日本柔道連盟の斉藤仁強化委員長(52)は暴力問題を告発した側が前日4日に発表した「声明文」の内容すら把握しておらず、選手との溝が浮き彫りとなった。

 出発2時間前に成田空港に到着した斉藤氏は、選手9人を搭乗手続きに向かわせた後、田辺監督代行を引き連れ、取材に対応。テレビカメラの照明が熱いのか、いつも通り額に大粒の汗を浮かべた。

 「選手のことを考えて対応し、『絶対にわれわれが守る』という心づもりで臨む」

 欧州遠征メンバーにはロンドン五輪78キロ級代表の緒方亜香里(22)=筑波大=や、48キロ級で世界選手権2連覇中の浅見八瑠奈(24)=コマツ=も含まれる。前夜は午後9時に“決起集会”を開き、「一番の目標は何かを明確にして闘ってくれ」と訴えたが…。

 反応は当然ながら冷ややかだった。会合の前には、園田前監督から暴力を受けた15人を代表する弁護士が声明文を発表し、日本代表チームの状況への失望と怒りが原因だと断罪したのだ。日本代表の強化スタッフを指揮する斉藤氏に本音を話せるわけがない。

 驚いたのは、その声明文の内容を斉藤氏が完全に把握していなかったこと。「テレビの報道でしかわからない」と言葉を濁した。日本中を巻き込む社会的な問題にも関わらず、だ。全文を掲載した新聞もあったし、インターネットでも情報を入手できる時代なのに…。

 当面の課題は意思疎通ではなく、パリ大会から採用される新ルールにあるという。「不安があれば言ってくれ。何でもする」と選手に語りかけた言葉がむなしく響く。パワハラを訴えた15人の願いは、組織体制と指導体制の抜本的な見直し。斉藤氏に求められるのは、選手を考慮した“真ルール”といえそうだ。 (江坂勇始)   (紙面から)
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JR東、首都圏の雪対策で早朝から間引き運転。結果、逆に大混乱。何やってるのかね。

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2013/02/05 [Tue] 18:05:28 » E d i t
 北海道の仲間たちの協力を得て、1月29日に「北大生・宮澤弘幸『スパイ冤罪事件』の真相を広める会」を結成しました。その関係で先週は札幌に行ったため、ブログのアップがしばらく滞ってしまいました。すみません。「会」結成の模様、近く改めて報告したいと思います。

 五輪選手も含めて、女子柔道の強化選手15人が連名で暴力やパワハラがあったことを告発し、園田隆二監督が辞任するという展開をみせました。しかし、当事者のみなさんはそれでもなお、連盟役員の責任を求めて昨日、声明を発表しました。

 その声明を全文読みましたが、彼女たちの思いがしっかりこもったものとなっています。誰かカゲにいるのではないかという推測もあるようですが、純粋に柔道を愛しアスリートとしての誇りを読み取ることができます。一体、何があったのでしょうか。

 4日の声明文は「なぜ指導を受ける私たちが傷つき、苦悩する状態が続いたのか、なぜ指導者側に選手の声が届かなかったのか、選手、監督・コーチ、役員間でのコミュニケーションや信頼関係が決定的に崩壊していた原因と責任が問われなければならないと考えています。」と、訴えています。

 これは何を意味するのか。園田監督の辞任で終わることは、事件のトカゲのしっぽ切りであると批判していると言えます。つまり柔道界全体の体質を問題にしているのです。そこにメスを入れてほしい、それが彼女たちの願いなのではないでしょうか。

 結果、きょう5日に前強化委員長である吉村和郎・強化担当理事(61)が辞任しました。オリンピック招致問題があるからでしょうが、この世界にしては実に早い対応です。吉村氏はこの問題に関して公の場に出てきていなかったものの、今回の声明で批判され一連の問題で責任を取った形になったといいます(毎日新聞ウェブ)。

 私はそれでも疑問は払拭できません。前出声明は「私たちの声は全柔連の内部では聞き入れられることなく封殺されました。その後、JOCに駆け込む形で告発するに至りましたが、依然、私たちの声は十分に拾い上げられることはありませんでした。」と述べているからです。

 つまり、JOCも一緒になってこの問題を抹殺しようとしたのです。全柔連もさることながら、メスを入れるべきはJOCなのかもしれません。オリンピックにおけるメダル至上主義が歪んだ形で露出した、それが今回の事件だったのではないでしょうか。そのことに思いが至らなければ、この国のスポーツ界は同じことを繰り返すのではないか、そんな危ぐを覚えるのは私一人だけでしょうか。

 告発に踏み切った女性たちに拍手を送りたい。告発されたあの人たちは〝意趣返し〟をしてくる恐れがありますが、負けないでがんばってほしい。それにつけても、何があったのかという母親の問いかけに「お母さんにも言えない」と語った(毎日新聞ウェブ)選手のメンタル面での心配はつきません。

★脈絡のないきょうの一行
あす、関東地方で大雪のおそれ。またまた麻痺するのか。慣れているとはいえ札幌に見習いたいもの。

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