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ヘボやんの独り言
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2012/02/27 [Mon] 10:25:05 » E d i t
 先週25日の毎日新聞は山口県光市母子殺害事件の最高裁判決のあと、報道機関が犯行時未成年であった元少年を実名報道したことについて、検証の特集をしています。毎日新聞は匿名を通しましたが、興味深いものがありました。以下、この特集をもとにしながらこの問題を考えてみました。

 まず報道各社がどう扱ったかですが、在京主要5紙、通信社、NHK、民放キー局5社、そして地元新聞社の西日本新聞、山口新聞の15社を調べています。このうち匿名を通したのは東京新聞と西日本新聞だけでした。放送局は全て実名報道に切り替えています。たまたま私は聴視したのですが、NHKはご丁寧に旧姓まで報道していました。双方の理由を見てみましょう。

 毎日新聞はこの特集に、丸山雅也社会部長が同社の議論の経過と考え方をまとめたものを掲載しています。それによると毎日の考え方の基本は「少年法の理念を尊重し匿名で報道する原則は、最高裁判決が出たからといって変更すべきでない」ということになります。東京新聞は「再審や恩赦があり、更生の可能性が消えるものではない」とし、西日本新聞も同様に「再審や恩赦の可能性はあり、現時点では少年法の趣旨を尊重する必要がある」としています。

 一方、実名報道に切り替えた各社は、▼国家に生命を奪われる刑の対象者である▼更生の機会がなくなった▼事件の社会的影響が大きい▼社会復帰への配慮の必要性が失われた――などを理由としています。

 私はこのケースも匿名を貫くべきではなかったかと考えます。その意味で毎日新聞の対応は評価できます。この問題を考える基本は、毎日新聞のいうように少年法だと思います。沢登俊雄国学院大学名誉教授はこの特集の中で、「少年法61条は、どうひっくり返しても、……実名が許される条文になっていない。厳罰化のムードに押され、なし崩しで実名化してしまったのではないか。」と批判しています。

 同名誉教授の意見に同感です。この事件、地裁、高裁は無期懲役でしたが最高裁が差し戻し、今回は5度目の判決でした。差し戻しとなった背景に垂れ流しともいっても過言ではない、メディアによるムード報道の〝後押し〟があったのではないでしょうか。そのメディアがまたしてもムードに流され、実名報道に踏み切ったのではないか、そんな疑念を抱いています。

 毎日新聞はこの特集のなかで、死刑が執行された場合は実名を出すべきではないかという意見を紹介しています。私はそういう事態になっても、匿名を貫くべきだと考えます。それは少年法の立場であるし、人権擁護の視点だからです。

 国家によって死刑という手段で生命を奪われたとしても、元少年を実名で報道する公共の利益は見当たりません。「国民の知る権利だ」という意見があるかもしれませんが、知ったところで国民にどんな利益があるのでしょうか。その思考の延長には、メディアが〝得意〟とする身勝手な解釈がありそうです。

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