美ヶ原の標高は2000メートルを超えていますが、山というより大きな高原という感じです。山本小屋からは山歩きというより、高原歩きで楽に登れます。ピークの王ヶ頭には近くまで車が入れ、ホテルもありおそらく『百名山』のなかでは最短距離・最短時間で登ることができるでしょう。今でこそそうですが、深田久弥が歩いた頃は険しかったようです。
98年10月20日山仲間のOさんと二人、早朝暗いうちから中央道を走り、諏訪ICで降りて諏訪大社・春宮を経て佐久市と諏訪湖を結ぶ国道142号線で和田峠をめざします。ICを降りた頃は明るくなっており、途中、紅葉した木々が目を楽しませてくれました。和田峠からは美ヶ原ビーナスラインで、扉峠まで進みここからさらに有料の「よもぎこば林道」で桜清水小屋の駐車場に進みました。
歩き出す準備をしていたら、小屋のおばあちゃんが「お茶でも飲んでいきなさい」と声をかけてくれました。断る理由はありません、おいしいお茶をご馳走になってスタートです。歩き始めるとすぐにオートキャンプ場です。夏場は賑わうことでしょう。テントサイトまで車が入れ、きれいです。一度利用したいところです。
キャンプ場から1時間半で、稜線にあたる王ヶ鼻に到着しました。周辺は石仏がたくさん立っており、宗教めいた雰囲気です。ガスがかかって周辺はほとんど見えません。山に来た気分とは程遠い感じです。ピークの王ヶ頭に進み始めてすぐ、車道が出現しました。な、なんと山の稜線にです。これにはびっくり。周辺はガスで見にくいのですが、大きなパラボラアンテナや鉄塔もあります。さらに進むと、工事現場に出ました。何だか汗を流して歩いてきたことが損したような気分です。
そして極めつけは、ピークの手前にNHKのアンテナ塔が鎮座していたことです。これはもう興ざめですが、仕方ありません。深田久弥がこれを見たら、きっと嘆くことでしょう。山頂には立派な石碑が建っており、それをバックに記念撮影です。下山は、周遊コースに乗りかなりのスピードとなりました。小屋に着いたら「もう帰ってきたかね」とおばあちゃんに疑問を持たれてしまいました。
小屋のお風呂に入らせてもらい、イワナの塩焼きと信州蕎麦に舌鼓を打ち、さらに小屋で一眠りして帰路につきました。帰りは、中央道ではなく佐久に出て上信越道から関越道を利用しました。ちなみに、このときの徒歩総時間は2時間55分でしたが、04年の山本小屋からは1時間25分となっています。短い。
*徒歩総時間/2時間55分
桜清水(9:20)-王ヶ鼻(10:50 11:15)-王ヶ頭(11:40)-桜清水(12:40)
★脈絡のないきょうの一行
「挙党体制」を言うのなら、話し合いで党首の候補者を絞り込むほうが分かりやすいのでは。