ヘボやんの独り言
06« 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30. 31.»08
2010/07/30 [Fri] 12:32:20 » E d i t
 この山は1998年8月5日にアタックしました。この年の8月は富士山と浅間山にも登っており、〝登山豊作〟の月でもありました。当初予定は欲張って、中の湯から登って西穂山荘に泊り、ジャンダルムを越えて奥穂高岳を踏むつもりでした。しかし、天気は下り坂の様相を呈しており、焼岳山頂から直接上高地に下山し、帰路につきました。

 8月4日の夜、自宅をスタートし中央道で松本ICをめざしました。が、途中でものすごい雨となりワイパーをフル稼働しても間に合わないほどで、不安がよぎりました。とにかく行ってみるしかないと考え、前進あるのみで長野県に入ったあたりから小雨となり一安心。

 途中のコンビニで朝食と昼食を買い込み、沢渡(さわんど)まで車を転がしそこの村営駐車場に着いたのが午前零時頃。迷わず車内で仮眠です。午前5時に起きて、沢渡発5時30分の上高地行きのバスに乗ります。途中、「中の湯」で下車し朝食を済ませて歩き始めました。

 この中の湯温泉、今では安房峠途中にありますが、かつては上高地に入る釜トンネルの手前にありました。ところが安房トンネル工事が原因で水蒸気爆発が起こり、1998年に移転しました。したがって、このときは温泉旅館の工事が進んでおり旧館は取り壊しが終わった頃でした。登山ルートも今では整備され、旅館から焼岳に登ることができます。

 釜トンネル左側の登山口から取り付きました。地図で見るとおりいきなり急登で、最初から息を切らせます。りんどう平に出たとたん、正面に焼岳が現われましたがそれはつかの間で、ガスに隠されてしまいました。ここまでは樹林帯歩きでしたが、ここからはつづら折りのガレ場歩きとなります。頂上に近づいているのでしょうか、硫黄の臭いが強くなってきます。稜線に出ると少しだけ視界が広がりました。

 左手の登山禁止となっている三角点のあるピークは、人を寄せ付けないぞとばかりに堂々としています。右手には噴煙を上げる火口があり、その上方で手を振る登山者がいます。前方左手の下方には池が見え、蔵王のお釜を彷彿とさせる水の色がまぶしい。その池を囲むような形で外輪山が植物の生殖を拒否し、荒々しい岩肌が連なっています。3日前に登った富士山の火口の大きさもすごいと思いましたが、いま現在噴火している山のそれも神秘的でいいものです。

 その様子を見ていると時間が経つのを忘れそうでした。焼岳を後にして、焼岳小屋で昼食を取り下山にとりかかりました。途中には梯子がいくつかあり、変化を楽しみながら梓川に沿って上高地のバスターミナルまで歩き、この山行に終止符を打ちました。

*徒歩総時間/8時間10分
中の湯(6:10)-りんどう平(8:30 8:55)-焼岳(11:10 12:10)-焼岳小屋・朝食(13:10 13:55)-上高地(16:30)

★脈絡のないきょうの一行
普天間基地騒音訴訟、高裁判決は騒音への賠償を認めても差し止めはNG。根っこを変えなければ…。
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2010/07/28 [Wed] 10:22:29 » E d i t
 暑いですね。私の住んでいる東京都練馬区は昨日で、最高気温が35度を超える猛暑日が連続9日という記録となりしました。夏日=25度以上、真夏日=30度以上、猛暑日=35度以上――というふうに表現することが決まっていますが、猛暑日という言い方は、35度を超える日が多くなったことから、2007年の夏から使われ始めました。その意味ではこの言葉、まだ3歳なのです。

 この暑さ、どこから来るのでしょうか。大きくは二つの産物だと言われています。一つは『地球温暖化』、もう一つは『ヒートアイランド』です。後者のヒートアイランドは分かりやすい。コンクリートに埋めつくされた地面が温められたり、エアコンの熱気が外部に排出されることによって温度が上昇する現象です。もう一つの温暖化によるものは、概念としては理解できるのですが、〝症状〟はさまざまで少々やっかいです。

 たとえば、最近のそれは「偏西風の蛇行によるもの」という説明がよく聞かれます。つまり、本来ならもっと北側を通るはずの偏西風が南下してきて、南の熱気が北(正確には北東方向)に運ばれるためだというのです。その構図は理解しがたいのですが、偏西風の蛇行も温暖化の影響でそれはエルニーニョ(後述)が大きく作用しているといいます。

 温暖化による影響ではなく別の要素によって猛暑化する場合もあるようです。その一つが2004年7月の山梨県甲府市で40.4℃、東京都心で39.5℃など南関東で観測史上最高の記録が生まれたときです。このときはヒートアイランド現象に加えて背の高い高気圧、フェーン現象が重なったといわれています。ヒートアイランドとフェーン現象という複合影響が猛暑をもたらしています。

 2007年以降、「ラニーニャ現象の影響によって日本各地で猛暑になる」と報道されることが増えました。「ラニーニャ現象」という言葉、耳慣れしませんが、発生場所や時間が少し違いますが、ご承知のエルニーニョ現象と逆と考えてよさそうです。つまりエルニーニョが海水の温度が上がることに対して、ラニーニャは逆に海水の温度が下がる現象です。

 そしてもう一つ、「ダイポールモード現象」というものがあります。これは「はインド洋熱帯域において初夏から晩秋にかけて東部で海水温が低くなり、西部で海水温が高くなる大気海洋現象である」(Wikipedia)としています。しかも、これがクセモノで夏のタイフーン発生に大きな影響があることが明らかにされてきています。

 まとめてみますと、エルニーニョは海水温度が上がり、ラニーニャは下がり、ダイポールモードはインド洋の東部で低くなり、西部で高くなる――現象ということになります。現象的にはたいしたことなさそうですが、これが地球環境に大きな影響を及ぼすのです。

 今回のブログは何が言いたかったのかといいますと、あまりにも暑い日がつづき、その原因を考えてみたかっただけのことです。いろいろ調べるうちに以上のようなことを発見しました。つまるところ「猛暑日」は、どうも人間がつくった産物のようです。そのうち40度以上の気温も珍しくなくなり、「激暑日」などと言われる日が来るかもしれません。

★脈絡のないきょうの一行
辻本清美さん、社民党を離党。もう少し骨のある人かと思いましたが、あなたも普通でしたね。
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2010/07/26 [Mon] 11:00:26 » E d i t
 展望を味わった稜線から、この日に泊る常念小屋は5分足らずです。小屋は平日とあってがら空きです。夏場は18人が寝るという部屋に5人が入り、ゆったりです。部屋に入ると同時に「宴会」が始まりました。持って行ったレミーマルタンの香りが、部屋中に広がりご機嫌になりました。夕食後、外に出てみると満天の空に、舌鼓ならぬ〝目鼓〟を打ったものでした。

 2日目。当然のようにご来光見学からスタートです。小屋から少し歩いた稜線まで出ました。

 前夜のお酒が少し残っているような気がしますが、東の空の茜色に酔いも飛びます。6時5分、美ヶ原北側の位置から茜色から変色した真っ白な太陽が昇ってきました。やはり神々しい。

 小屋で朝食を済ませて、いよいよ常念岳アタックです。7時15分にスタートし急登のジグザグ道を一歩、また一歩と登りつめていきます。振り返れば、槍ヶ岳が「がんばれ」と応援してくれているようです。高度を稼ぐにつれて北穂だけしか見えなかった穂高山塊中心部の全容が現われてきました。気のせいでしょうか、それらを早く見たいという気持ちが先立ち、足より身体のほうが前に出てしまいます。

 8時25分、山頂に到着です。小屋で聞いた天気予報どおり下り坂で、太陽はすでに雲に隠れていますが、山頂から360度すべてが見渡せます。心待ちした奥穂を盟主とした穂高山塊は、眼前に全てを見せてくれ、槍ヶ岳の向こう側には水晶岳をはじめとした裏銀座の山々がそびえています。前日には見えなかった北側には、大天井岳と燕岳の先に立山、剣がしっかり座り、その右手に鹿島槍ヶ岳をはじめとした後立山が連なっています。その様は「重畳」という言葉にぴったりです。

 北東方面には、雨飾山や火打山などが見えているはずですが、山座同定はかないませんでした。東側は、昨日見た山たちがたたずみ、山頂まで来てやっと見えた南側には、北岳を盟主とする南アルプスが見え、富士山がその特徴ある姿をアピールしています。南西方向には中央アルプスが横たわり、御嶽山がひときわ目立ちます。これらはもう、贅沢といわずして何というのでしょうか。言葉を失う瞬間でもあります。

 同行のMさんは「一日中、ここにいたい」とつぶやきますが、そうはいきません。前常念岳の山頂を踏んで、もう1台の車を置いてある三俣へ下山です。単調な下りに飽き飽きしながらやっと到着、穂高町営の「しゃくなげ荘」の温泉で汗を流し、山行に終止符を打ちました。

*徒歩総時間/1日目・4時間50分、2日目・5時間35分
10月27日/ひえ平(8:35)-途中昼食休憩(12:00 12:50)-常念小屋(14:15)泊
10月28日/常念小屋(7:15)-常念岳山頂(9:45 10:00)-前常念岳(9:45 10:00)-三俣(13:50)

★脈絡のないきょうの一行
またしても山岳救助ヘリの墜落事故。いのちを救いに行った人がいのちを落とすとは、やるせない。
2010/07/21 [Wed] 13:39:55 » E d i t
 この山、『三度目の正直』でやっと山頂に立てました。2年つづけてこの山に登る計画を立てましたが、2回とも台風に襲われ断念せざるを得なかったからです。そしてこの年も当初は9月に計画していたのですが、仕事が入り諦めかけていたところ、10月のそれも小屋がこの週で閉まる寸前の27、28日にやっとチャレンジすることができました。世紀末、2000年のことです。

 車2台を仕立て、登山口と下山口を違える計画としました。1台は、愛知県春日井市に住んでいるTさん夫妻、東京からはOさんの車に3人が乗り、長野道の梓川SAで待ち合わせ。高速道路を降りてからOさんの車を「三俣」に置き、Tさんの車に5人が乗って「ヒエ平」登山口まで進んでここからスタートです。

 一の沢の登山事務所に、登山届け用紙を提出して本格的な山道に乗りました。車から1時間ほど歩いたころ、Tさんが「もしかしたら車のキーをかけ忘れたかもしれない」と言い出し、協議の結果、戻ってみることに。わたしたちは先に進みましたが、なんと彼は1時間ほどで戻ってきたではありませんか。「やはり、掛け忘れていました」と軽く報告。その速さに脱帽です。毎年、富士山マラソンに参加している人だけあります。

 登山事務所から3時間ほど、沢に沿って歩き、ゆったりした道が続きます。沢と別れ、最後の水場を過ぎたあたりから急登が現われました。喘ぎ、あえぎの前進です。急登を攻め切ったら突然視界が開けるということを、山に登ったときによく経験しますが、今回がそれでした。それは文字通り、「いきなり」という感じでやってきました。しかも、あの槍ヶ岳が正面に座っているではありませんか。感動、です。あとから歩いてくる仲間たちに大声でなにやら叫んでいました。

 槍ヶ岳は想像していたものより大きかった。槍から見た常念と、常念から見る槍はこんなにも違うものかと、戸惑いを覚えるばかりでした。槍ヶ岳は大きく、存在感たっぷりの容姿をしていました。いつもとは反対側から見る槍ヶ岳、それは網膜に焼きつくほどの強烈な印象となって私の中に残っています。

 ここからは、西側に右から槍ヶ岳、大喰岳(おおはみだけ)、中岳、南岳、大キレット、そして北穂高岳の一部が望めます。振り返って東側には、その全てのピークを踏んだことのある山々が並んでいます。右側から、八ヶ岳連峰、信濃富士といわれる蓼科山、大きな塊になった霧が峰・美ヶ原、噴煙は見えないものの浅間山、少し離れて四阿山……。それらのパノラマはみごとです。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
国家戦略室の格下げは、官邸にいろいろ言わせない口封じ策。自民党に近づくなー。
2010/07/16 [Fri] 10:36:27 » E d i t
 岩場をよじ登るように両手を使って上がると、人声がします。思ったとおり吊り尾根と前穂高岳への分岐・紀美子平です。「紀美子平」の由来は今田重太郎さんの娘の名前だとか、重太郎さんを手伝った女性の名前だという説がありますが、はっきりしません。そのうちどなたか正解を教えてください。

 紀美子平は「平」というだけあってちょっとしたスペースがあり、休憩するにはもってこいの場所です。明け方の仮眠時間が短かったことから、ここで1時間ほどの昼寝をむさぼって、前穂にアタックしました。山頂までは30分程度、サブザックにカメラと水など必要なものだけを詰め込んで登りました。前穂の山頂は思ったより広く、正面に特徴あるピラミッド型をした常念岳がそびえ、明神岳が右手の目の前にあります。振り返れば、ピークを同定できませんが奥穂高岳の大きな塊が目に飛び込んできました。迫力満点です。

 それらの展望を楽しんで紀美子平にもどり、吊り尾根に乗っていよいよ奥穂高岳にアタックです。何回かのアップダウンを繰り返し、午後3時15分、山頂に到着しました。上高地を出発して9時間25分です。かかった時間もさることながら、岩場の連続を歩き通せたことに満足感いっぱいです。

 面白いことに山頂を示す標柱が見当たりません。大き目の方位盤があり、その反対側に写真で見たことのある祠があるだけです。やって来た登山者は口々に「山頂はどこだ」といいながら探しています。前穂と西穂の分岐点に古い道標があり、そこにかろうじて「奥穂高岳山頂」の文字が読めるだけです。環境を考えているのでしょうか、これだけ有名な山の山頂を示す標柱がないことに不思議さを覚えました。山頂からは一気に穂高岳山荘まで下りて、チェックインです。

 2日目。下山路はもう一度奥穂高岳の山頂を踏み、ジャンダルムから西穂高岳へのコースを考えていましたが、台風が接近するかもしれないというので、涸沢方面へエスケープすることにしました。涸沢までの下りは、大量の登山者とすれ違うため待ち時間を取られ、少々閉口しましたがやむを得ません。涸沢からの北穂高岳、奥穂高岳(山頂は見えませんが)も立派でした。涸沢ヒュッテで水を補給し、横尾山荘、徳沢園、河童橋を経て上高地に入り、この山行に幕を下ろしました。

*徒歩総時間/1日目・7時間55分、2日目・5時間50分
9月23日/上高地(5:50)-岳沢ヒュッテ(8:05 8:15)-紀美子平(11:20 12:20)-前穂高岳(12:50 13:10)-紀美子平(13:30 13:35)-途中休憩10分×2回-奥穂高岳(15:15 15:50)-穂高岳山荘(16:25)泊
9月24日/穂高岳山荘(6:20)-涸沢ヒュッテ(7:55 8:25)-横尾山荘(10:30 10:40)-徳沢園(11:25 11:50)-上高地(13:15)

★脈絡のないきょうの一行
検察審査会、小沢一郎氏の07年分収支報告虚偽記載容疑に「不起訴不当」。検察は国民感情を知るべし。

2010/07/14 [Wed] 14:12:34 » E d i t
 百名山の報告にもどります。本来ならば、水晶岳(「百名山」では黒岳)の報告となるところですが、この水晶岳は「百名山」の中で最後に登りました。従って報告も最後にしたいと思っていますので、その関係で順番を一つずらさせていただきます。ご了承下さい。

 日本の山を代表する一つ、奥穂高岳です。2005年9月23、24日の秋分の日が入った連休を使ってチャレンジしましたが、この山は10年前の同じ月に今は亡きIさんと二人で一度アタックしかけたことがあります。そのときは今回とは反対側の、新穂高からロープウェイで上がり、西穂高山荘に泊り翌日、西穂高岳からジャンダルムを経て奥穂をめざしましたが、台風接近で西穂まで行ったものの撤退しました。その意味からすれば、リベンジの山であり、弔い登山でもあります。

 いつものSさんと二人連れです。夜中に高速道路を走り松本ICで降りて、中沢渡の駐車場で上高地行きの一番バスが動き出すまで仮眠。バスは連休とあって補助椅子を出すほどの込みようでした。奥穂までのコース取りをどうするか迷いましたが、岳沢から紀美子平に出て、前穂高岳をピストンし、吊り尾根を歩いて奥穂にアタックすることにしました。

 上高地から歩き始め、河童橋までは大勢のハイカーでしたが、橋を渡る岳沢方面へは二人だけになりました。この岳沢コースはあまり人気がないのでしょうか。そういえば、私たちが行ったときには営業していましたが、2年ほど前でしたか岳沢ヒュッテが閉鎖したというニュースがありました。寂しいものです。

 河童橋を過ぎて、しばらく樹林帯を歩くとゴロゴロした大きな石が転がっている「沢」を左手に見ながら緩やかに登っていきます。岳沢ヒュッテから重太郎新道に乗ります。重太郎新道とは、山岳ガイドで、穂高山荘をつくった今田重太郎(1898年-1993年)さんが前穂高岳までの道を切り開いたことから名づけられたものです。

 この道、なかなか厳しいものがあり急登に苦戦しましたが、天気に恵まれ西穂高岳方面の急峻な雄々しさを堪能させてくれました。途中の岩場で休憩していると、相棒のSさんが「テンだ」と指差しました。その方向を見ると、可愛い目をクルクルと回しまるでわれわれにあいさつしているようです。カメラを準備しましたが、残念ながら逃げられてしまいました。

 このあたりの標高は2500メートルほどあり、地上の天敵もなく〝ヒト慣れ〟しテンは平穏な生活をおくっているのかもしれません。あらゆるものを寄せ付けまいとする厳しい山容と、可愛いテンが同居している様は奇妙なバランスがあっていいものです。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
参議院選挙結果に対する責任で、民主党はお咎めなし。秋の代表選に持ち越しかー。
2010/07/12 [Mon] 11:57:52 » E d i t
 民主党の敗北に終わった参議院選挙。はっきり言って、民主党は惨敗したといっても過言ではありません。定数1の選挙区だけを見てみると無所属候補を推薦した香川と、候補者を見送った沖縄を除いて、民主党は8勝21敗で、3年前の23勝6敗を逆転した形になっています。これは象徴的です。

 菅直人総理大臣は開票直後の記者会見で、敗北の原因について「消費税問題で説明不足だった」と述べました。これは違っています。敗因は、総選挙時の「消費税は4年間上げない」という公約を反故にしたことに尽きると思います。選挙戦終盤あたりから首相は、消費税問題に触れる事を避けてきました。この問題に言及すればするほど、票を減らすことに気づいたからです。毎日新聞が行った選挙戦終盤の世論調査は、地方に行くほど消費税増税反対が多くなっていましたが、それは前述1人区の選挙結果にみごとに反映していました。

 国会はねじれに戻りました。非改選を含めて参議院の定数は242。民主党(106議席)と国民新党(3議席)の与党だけで109議席。はるかに過半数に届きません。民主党はしきりにみんなの党に秋波を送っていますが、それが〝成功〟しても120議席にしかなりません。このねじれは、3年前の自民党政権時と比べると大きな違いがあります。民主党は衆議院で再議決できる3分の2をもっていないからです。したがってこのねじれは「真性ねじれ」(朝日新聞)といえます。

 今回のねじれは、積極的な面と否定的な面の二つを備えていると私は思います。

 積極的な面でいえば、与党の「力でねじ伏せる」的な政策決定が出来なくなり、十分な議論が求められるからです。野党との話し合いがつかなければ、法案が成立しないこともあり得ます。それはこれまでのような強行採決ができなくなることであり、国民に議論している法案の中身を知らせる時間が〝保障〟されることになります。つまり、ねじれは国会で法案の中身がきちんと議論される、という土台を作った点において積極面があります。

 しかし法案がより悪化することも予想されます。民主党が出してくる法案に対して、自民党がワル乗りしてさらに悪いものにしていく可能性があるからです。この間のねじれ国会で、たとえばインド洋への自衛艦派兵をいったんもどしました。ガソリンの暫定税率も、ほんの一時期でしたが廃止しました。こういうことが出来なくなるばかりか、もっと悪く修正されるのではないかという恐れです。

 予想されるその最たるものが、憲法改悪と衆議院の比例定数部分の削減です。大局において民主党も自民党も「改憲政党」です。衆議院の比例定数削減も数こそ違い、一致しています。これは非常に危ない。民主主義破壊法案を民主党が提案し、それに自民党がワル乗りして〝十分な話し合い〟を装って成立させる、という図式を描くのは私の杞憂でしょうか。

 そしてもう一つ。今回のねじれを喜んでいる人たちがいることを忘れてはなりません。『脱官僚』が事実上遠のいた、あの人たちです。

★脈絡のないきょうの一行
サッカーのワールドカップ、オランダを下しスペインが初優勝。おめでとう!!
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2010/07/09 [Fri] 12:07:35 » E d i t
 参議院選挙の私の争点の3番目は、核兵器廃絶・沖縄の基地を含めた日本の平和と民主主義の問題です。

 核兵器の廃絶は、人類の悲願です。米・オバマ大統領の発言は全世界から共感を呼び、ノーベル平和賞を受賞するにいたりました。私事ですが、私が生まれて初めて街頭署名に立ったのは高校生のとき、核兵器の廃絶を求めるそれで千代田区御茶ノ水駅前でした。以来46年、やっと日本の総理大臣が「核兵器廃絶に力を注ぐ」と発言しました。私個人にとっても、核兵器廃絶は「課題」でありその大きな変化に喜んだものです。

 しかしこの問題について、民主党も自民党もアメリカの「核抑止力」を主張し、アメリカべったりの政策でしかありません。最初の被爆国として、核兵器の廃絶については日本独自の政策なり方針があっていいと思うのです。

 翻って、沖縄の普天間基地問題です。「少なくとも県外」(移転)発言は、幻想に終わりました。沖縄県民の期待を裏切った民主党の罪の重さははかり知れません。この問題は、対米関係をどうするかという問題一点に絞られます。つまり、アメリカの従属から解き放たれない限り、沖縄の真の自由は得られないと思うのです。そういう厳しいなかにあっても、沖縄県民のみなさんは諦めることなく基地を返せ、の運動をつづけています。その努力にただ、ただ頭が下がるだけです。その思いに応えきれる政党はどこなのか、きちんと見極めたいものです。

 民主主義の問題で、看過できないのは「政治とカネ」「衆議院の比例定数削減」問題です。小沢一郎さんと鳩山由紀夫さんの「カネ」問題はあれだけ騒がれたにもかかわらず、この選挙ではメディアも含めて完全消去状態です。これは一体どうしたことでしょうか。〝小沢幹事長辞任〟で幕が引かれたというのでしょうか。冗談ではありません。結局説明がなされておらず、国民は納得していません。

 衆議院の比例定数削減は「2大政党」の総仕上げであり、日本の議会制民主主義の破壊でもあります。やっかいなことに、自民党も民主党も減らす数こそ違え、同じことをいっています。あの人たちは日本の国会議員は多すぎるといっていますが、ヨーロッパ諸国と比べればむしろ少ないほうです。小選挙区制の弊害等の詳しい内容については別に譲りますが、比例部分を減らすということは、共産党や社民党を末殺することと同意語で、民主主義の根幹にかかわることになります。

 以上、大きく分けて3つの争点について触れましたが、いよいよあさって、参議院議員選挙の投票日です。結果は即、消費税増税をめぐる動きに直結します。未来を見据えて、投票したいものです。

★脈絡のないきょうの一行
内閣支持率の急落、みんなの党の急伸(毎日新聞調査)。これは明らかにバンドワゴン効果だ。
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2010/07/08 [Thu] 11:21:25 » E d i t
 消費税増税問題で、「3党合意」が事実上破棄されたことについて、メディアが全く批判しないばかりか触れないことに、そこはかとない意図を感じています。

 私の選挙争点の2つ目は、国民のくらしに直結する「制度」の問題です。自公政権は新自由主義に基づいた「小泉・構造改革」を強行し、日本に度し難い格差を生み出しました。年収200万円以下のワーキングプアは1000万人を超え、その数は増え続けています。その貧困を少しでも軽減してほしい、という願いが昨年の総選挙で炸裂し政権交代が実現しました。

 しかし、民主党政権はたとえば後期高齢者医療制度を総選挙のときには見直す、と言っていたにもかかわらず先送りにし、最近ではさらなる改悪を考えています。労働者派遣法についてもしかりです。抜本的見直しどころか、自民党時代に逆戻りしているではありませんか。

 もっとひどいのは、障害者自立支援法の廃止問題です。前出の3党合意では、「『障害者自立支援法』は廃止し、『制度の谷間』がなく、利用者の応能負担を基本とする総合的な制度をつくる。」と明確にし、長妻昭厚生労働大臣は記者会見でそのことを声高に叫びました。ところがどうでしょう、廃止どころか先祖がえりをしてしまったではありませんか。この法律、障がい者の自立支援どころか自立を阻害する法律になっているのはご承知のとおりです。

 雇用の問題もしかりです。「大学は出たけれど」だけではなく高校卒業生にすら職がないという事態は、深刻そのものです。この問題は前出の「制度」とはすこし離れますが、福祉関係の予算を増やすことで雇用の機会・場所を増やすことは出来ます。

 映画案内の小冊子、「キネマ日和」の6月号に面白い記述を見つけました。近年、藤沢周平の小説を原作とした映画(「たそがれ清兵衛」「武士の一分」など)がブームになっていることについて、「政治不信と不況が続く今日において、質実剛健に、または慎ましく、もしくは豪快に生きた古人に、人々がいまを生き抜く術を求め始めたことが、あと押しになったといえる」と。私も同感です。世相は映画の客足にも影響するのです。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
宇宙探査機「はやぶさ」、微粒子が発見され、期待は膨らむ。
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2010/07/07 [Wed] 11:19:53 » E d i t
 参議院選挙の投票日まであと4日。その割には、まち中は静かです。選挙運動のさまざまな規制がそうさせているのでしょうが、有権者への投票のための材料提供が少なくなる、そう思えてなりません。

 参議院選挙にあたって、「私の争点」を考えてみました。ご一緒にいかがですか。

 第1は、消費税増税問題です。この争点、反対を唱えているのは共産党と社民党だけで、あとの党は「使い道がどうの」「時期がどうの」と言っていますが、増税賛成です。第1党の民主党も第2党の自民党も、そして第3党の公明党さえも推進派ですから、「増税反対」という5割近い有権者の戸惑いが見えるようです。では、増税反対の人は共産党か社民党に投票すればいいではないかと考えるのですが、即、投票行動に結びつかないのがこの国の不思議さです。

 私は消費税増税に反対です。低所得者ほど負担が大きくなる、逆累進課税方式の性質をもったこの制度、廃止すべきだと考えています。同時に、先週も紹介しましたが消費税があがると国民の購買力(消費)が落ち込みます。そうなれば、GDPの6割が国民消費であることを考えれば、日本経済がまたしても冷え込むことになります。日本経済の発展の立場からも、消費税増税はノーです。

 民主党が提起しているこの論議でハラが立つのは、法人税減税がセットになっていることです。この問題については、「法人税減税の財源は消費税増税だ」という共産党の主張は極めて分かりやすい。これは裏を返せば、大企業からきちんとした税金を納めてもらえば、消費税はいらなくなるということでもあります。さらによくよく考えてみれば、大企業が儲かった金は、国民の懐から出たものであり、それから税金を払ってもらうということは、実は、国民が法人を通して間接的に税金を払うことでもあります。

 さらにハラが立つのは、民主党は昨年9月9日の社民党、国民新党と連立を組んだときの「3党合意」を完全に黙殺していることです。改めてその内容を見てみましょう。

                      ◇=◇=◇
2 消費税率の据え置き
 現行の消費税5%は据え置くこととし、今回の選挙において負託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げは行わない。
                      ◇=◇=◇

 ここでいう「政権担当期間中」とは、まさに今ではありませんか。あの「合意」は、死したのでしょうか。だとしたら、事実上国民新党との連立も解消したことになりはしないでしょうか。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
きょうは七夕。雨の中で織姫と彦星は会えるだろうか。

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2010/07/06 [Tue] 10:30:37 » E d i t
 この問題を考えているうちに、新聞社の獲得予測議席数が報道されました。ためしに一度、どのメディアの予測が当たったか調べてみてはいかがでしょうか。

 今回は、「バンドワゴン効果」について考えてみます。獲得議席予測で、何故か新しく出来た政党への支持率が高くなっていますが、これは一種のバンドワゴン効果によるものと思われます。バンドワゴンを直訳すると「楽隊車」となります。つまり、行列の先頭の車に乗った楽隊のことを、バンドワゴンというのです。

 それが転じてバンドワゴン効果とは、ある一つの事柄や出来事が多数に受け入れられている、あるいは流行しているという情報が流れることで、その選択への支持や関心が一層強くなる現象をさしています。「スタンピード現象」もこれに似ています。サバンナなどの動物の群れで、一匹が走り出すとそれにつられて全体が走り出す、という映像を見たことがあるかと思いますが、あのことです。株取引の世界でこの言葉は「暴走」「暴騰」などと解釈されているそうです。

 バンドワゴンに乗る、ということは、「時流に乗る」「多勢にくみする」「勝ち馬に乗る」というような意味に使われます。これが選挙のときの投票行動になると、事前に流れている情報に沿って「当選しそうだ」と思われる人に投票するというのです。ところが、バンドワゴン効果の真逆の「アンダードッグ効果」によって、人々が「判官贔屓(はんがんびいき)」的に動き出すこともあるといいます(※アンダードッグ=負け犬)。

 こう見てくると新しく出来た政党の支持率が高くなるのは、人々の心理の反映といえそうですが、民主、自民の2大政党に愛想が尽きたことも手助けしていると読んでもいいのではないでしょうか。1992年に元熊本県知事の細川護煕(ほそかわもりひろ)氏が中心になって、日本新党をつくり、いわゆる〝新党ブーム〟をつくりましたが、2年間しかもたなかったのはご承知のとおりです。

 今回の雨後の竹の子のような新党群は、よく見てみるとほとんどが元自民党員で、しかも大臣を務めたこともある人たちではありませんか。早い話しがこの人たちは自民党の分派なのです。そういう問題をメディアがきちんと伝えれば、バンドワゴン効果やアンダードッグ効果は起きないと思うのですが、いかがでしょうか。

★脈絡のないきょうの一行
昨日の都内の雨、この間の九州の雨――日本が熱帯化したのではないかと思いたくなる。
政治問題 *  TB: 0  *  CM: 0  * top △ 
2010/07/05 [Mon] 10:21:19 » E d i t
 きょうは先週の続きをアップしようと思ったのですが、昨日(4日)の午後7時のNHKニュースの内容があまりにもお粗末すぎて、そのことに早く触れるべきだと思い、変更させていただきます。

 いま、この国の最大の〝イベント〟は、今度の日曜日11日投票の参議院選挙のはずです。ところが、ゴールデンタイムのこの時間のニュース、NHKは一言も触れませんでした。通常であれば、「最後のサンデー」「1週間前のお願い連呼」「1週間前の有権者の声」などを特集します。ところがなんと、この日の内容は大相撲の野球賭博処分問題(後段部分を含めて11分)、スカイツリーの建設状況(5分)、サッカーのワールドカップ準々決勝(7分)などと、およそこの時期の7時のニュースとは思えない内容でした。

 しかも、この日の朝はNHKが各党首を集めて、消費税問題について意見をたたかわせたばかりでした。消費税が参議院選挙の主要な争点の一つになっているからこそ、NHKはこの討論会を企画したはずです。(私は所用で途中までしか見ませんでしたが)この放送を見た人はいいかもしれませんが、見ていない人のためにも、視聴率の高いこの時間に改めて紹介するのが〝公共放送〟の義務だったのではないでしょうか。

 大相撲の野球賭博処分問題は、11分も放送する必要があったのでしょうか。確かに現役大関の解雇は、無視できません。しかしそれは2分もあればいいことでしょう。スカイツリーの建設進捗状況の放送は、この日でなくても良かったはずです。ワールドカップの準々決勝も、日本が残っておればそれなりの意味があるでしょうが、この時間帯の後段の「スポーツコーナー」で結果のスコアーを知らせるだけで十分だったといえます。

 何ゆえにこんな放送内容になってしまったのでしょうか。私はうがった見方をせざるをえません。結論的には、消費税問題を国民にあまり知らせたくない、と言うことではないかということです。先月末のこのブログに書きましたが、消費税論議で民主党は有権者の目くらましを狙ったものの、国民の反発が思ったより強く旗色が悪くなった、それを避けた(隠した、というほうが正しいかも)のではないかということです。そのことにNHKが手を貸した、と考えるのは順当といえそうです。

 言い方を代えれば、NHKは参議院選挙から国民の目を遠ざけたのではないかということです。国政選挙投票日1週間前のゴールデンタイムのニュースで、選挙報道がなされなかったということがかつてあったでしょうか。少なくとも私の記憶には存在しません。選挙報道は、多角的な角度からどの党を支持するかの材料を国民に提起するのが役割のはずです。〝公共放送局〟という立場にあるはずのNHKには、より強くそのことが求められているはずです。2010年7月4日午後7時のNHKニュース、異変が起きたことを記憶にとどめておきたいものです。

★脈絡のないきょうの一行
メディアにいいように利用されている大相撲の野球賭博問題。協会の結論にも疑義あり。
2010/07/02 [Fri] 11:59:56 » E d i t
 参議院選挙の投票日まで10日を切りました。この時期、(一部週刊誌や夕刊紙ですでに出たところもありますが)新聞をはじめとした大メディアは必ず世論調査を行い、各政党の獲得議席数の予想を出します。この予想、新聞社は結構まじめに必死です。予測がどれだけ当たったかは、そのメディアの調査力と分析力を試されるからです。小ブログで09年6月8日から15日まで4回にわたってこの世論調査問題について書きました。部分的に重複するかもしれませんが、角度を変えて再度考えてみます。

 調査には多くの場合、『無作為抽出』という手法がとられます。これについてウィキペディア(Wikipedia)は、「ランダムサンプリング(random sampling: 無作為標本抽出)とは調査対象をある母集団(調査対象の全体)からランダム(無作為)に標本抽出(サンプリング)する行為のことである。」と説明しています。ほかのものも調べてみましたが、同じような書き方をしてあります。少々難解ですが、ここで昨年書いたことのおさらいをしてみます。

 この説明をものすごく単純化していいますと、無作為抽出というのは行き当たりばったりで調査対象を選ぶのではなく、ランダムに一つの方法を決めることなのです。これでも難しいのですが、例えば、電話で調査をする場合、局番の下一桁は「3」、番号の最初は「6」、最後は「7」というふうに無作為(ランダム)に決めて調査するのです。それじゃ、作為があるじゃないかという指摘があります。が、その数字を決めるに当たっては乱数表によったり、サイコロを使う場合もあるのです。

 電話の場合は、前出の方法をとりますが一軒一軒住宅を歩いて調査する場合は、「偶数丁目、二桁の奇数番地、二桁の偶数号」などを選んで調査に入ります。団地などの場合は、「奇数階、部屋番号が4桁だったら下二桁を17、20の二つ」などを無作為抽出します。

 これらの方法によれば、調査は偏ることなくかなり公平性が保たれることになります。ところが最近の電話調査の場合、若い人は自宅電話ではなくケイタイを持つことが主流になっており、難しい面がないわけではありません。

 投票所の出口調査に私は一度だけ遭遇したことがあります。NHKでしたが、調査直後に腕時計を見たら午前10時を少し回ったところでした。この場合は恐らく、〝時報〟時間に投票所の外に出てきた人をつかまえる、あるいは30分おきにつかまえる、という方法なのではないでしょうか。もちろん男女交互に、という方法が加味されているかもしれません。そう考えてみると、世論調査の対象になるということは、確率的には低いことになります。が、集まったデータは、数が少なくてもかなり正確です。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
〝岡田ジャパン〟の試合に行くときと帰ってきてからの対応の違い、スゴイけどヘン。