関心の中心は国政レベルでの自公与党が、64議席以上の過半数を確保できるかどうかでした。結果は事前の予想どおり過半数割れを起こしました。とくに1人区で自民党は民主党に惨敗、総選挙を占うデータが生まれました。都議選とはいえ、自民党政治への批判が集中したといえそうです。
見ておかなければならないのは、公明党が1議席増やしたものの「与党」から滑り落ちたことです。宗教法人・創価学会の許認可権を東京都知事が持っていることから、都議会において与党でなければならないことを至上命題としている同党にとって、自民党の凋落は小さくない打撃だったはずです。すでに、ネットには「公明党は自民党と手を切るのではないか」という書き込みが見受けられます。是々非々を旨とするあの党にあって、ありそうなことです。
とはいえ今回の都議選の結果は、わたし的には第一党が自民党から民主党に代わったものの、石原都政において「変化はなかった」ということになります。なぜなら民主党は事実上、石原都政の与党だからです。少しだけ変化に期待できるのは、民主党から若い人が多数当選したことと、「築地移転の見直し」が政策に入っていることです。
共産党が議席を減らしました。民主党への追い風が、共産党への逆風になったからでしょう。しかし、同じ風が吹いていたにもかかわらず、公明党が議席を伸ばしたことは無視できないと思います。組織力において、公明党のほうが上回っていたことは明らかで、共産党のさらなる活躍に期待したいものです。
★脈絡のないきょうの一行
都議選の陰で「臓器移植法案、きょう参院で可決」という報道が気になる。