もう14年も前になる95年6月2日、前日、鬼怒川で労働組合関係の会議を開き、それが終わって桧枝岐(ひのえまた)の登山口に着いたのは午後2時頃。それから歩き始める訳ですから、山頂ピストンは無理なことから小屋泊まりとしました。6月だというのに会津の山は雪に覆われていました。登山道(らしきところ)の樹木にくくりつけられた赤いリボンを頼りに登っていきます。一人だけの雪山は少々心細いものがありますが、前進しかありません。
樹林帯を抜けて見通しのいい場所に出たところで、正面にアンテナが見えました。そこに向って一直線に登ります。それは予想どおり小屋のもので、到着と同時にビールを注文し、一気にのどを潤し宿泊者名簿に記帳、宿賃を払いました。これが山小屋のオヤジさんとの二人だけの宴会の始まりとなったのです。
この日の宿泊客は私一人。自炊の小屋ですから自分で食事はつくります。持って行ったレトルトカレーを温めて夕食です。食事を済ませてシュラフを取り出し、寝る支度をしていると小屋のオヤジさんが声をかけてきました。聞いてみると、この年に60歳になったといいます。とすれば、私と同じイノシシではありませんか。これで意気投合し、3時間を超える宴会となったのです。(次回につづく)
★脈絡のないきょうの一行
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